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悪人に引っ張られて二日目。

まだ引きずってる。

風呂入って飯食って寝るだけ、か。

出会い系で会ったばかりの男がお姉ちゃんのことなんか本気で好きになるわけないでしょ?!

その辺の言葉に私も傷つく。
そして何より、ブッキーのいろんな表情が脳裏から離れない。

しかしなんでこんなに悪人のブッキーが私の心を捉えるか。

それにしても、怒りのブッキーも私の心を捉えていた。

隙のないエリートゲイにしか見えない、爪の先までピカピカのブッキーと。
全く正反対、清潔感や身だしなみとは無縁、隙だらけのドノンケの田舎の男にしか見えないブッキーと。

さらに、ジョゼと〜の時も、軽いけどいいやつな若者役、すごく役柄と一心同体になってた。
たまたまハマり役なのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだ、たぶん。
この人、すごい役者さんなんだ。

実はこの年代では一番すごい俳優じゃないだろか。
こんなにカメレオンな俳優、私知らない気がする。

まあ森山未來とかも凄かったけど、森山未來はどこにでもいる顔という武器がある。
顔にそんなに強い個性がない分、色んな役がこなせるはず。
一方で妻夫木聡はもう、妻夫木聡という強い顔をしているのに、、すごい。
しかもそんなわざとらしくないんだよ。

怒りのブッキーも、悪人のブッキーも、いかにもわざとらしいってのは感じずに、でも私は首を絞めるブッキーの形相に恐怖し、目に涙をたたえながら海を見つめるブッキーに心をしめつけられる。
なかなかここまで表情だけで伝わってきたこともないと思う。
私の場合だけど、、こういう種類の凄さを最近感じたのは、ワンスアポンアタイムインハリウッドのデカプリオくらいじゃないかと思う。

しかも聞けばどちらもものすごく役作りしてたらしいじゃないか。
しかもどちらも彼自身が熱望してゲットした役所とか。

悪人はまだわかるよ、主役だし。
でもシャイニーゲイをなんでそんなにやりたかったんだろ?
役作りのために綾野剛と二週間同居もだいぶすごいし。

一気に妻夫木聡に夢中。

しかも多分私は、器用な男よりも、元々こういう不器用な男の方が
今まで縁もあったし、信用できるし、好感を持っているからかもしれない。

怒りでは、群像劇にも関わらず、それでも妻夫木が一番釘付けになったけど、「なんだよもう・・」って泣いて去っていって、不憫には思うけど、お前自業自得だろっていう側面もあって、軽い読後感な感じで後には引っ張らなかったのだが。

悪人の妻夫木は、残りまくる。
ちょっと進撃の巨人と共通するような読後感すらある。

つまり切り分けられない善悪とか、閉塞感と自由、つまり生きることは何かとか。
純粋でいい奴で、でも悪に手を染めてしまった主人公と、その主人公を愛している女の葛藤、彼らの束の間の逃避行が、エロスとタナトスという感じで、死や終わりが見えているからこそ、その対極として究極の至福が感じられるところとかかな。

でも悪人はブッキーが体現したことによって、もっともっとリアリティがあるから。
いやしかし妻夫木聡は福岡出身、深津絵里が大分出身と、なんか九州の田舎の空気感をわかっている人たちが演じたところもすごいな。
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