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韓国ノワール映画 哀しき獣 感想。 [映画メモ]

韓国ノワールと言っていいのかな。
たぶんいいんだろうな。
歌丸のラジオで紹介されてて、Amazonプライムで無料でら観れるので観た。

2010年だったか、10年くらい前の映画。
結果見てよかったと開始1秒で思った点はまず私は無知で、朝鮮族とは何か今まで理解してなかったし、中国に朝鮮自治区があることも知らなかった。
ようは朝鮮族とは、中国の中の朝鮮系民族の自治区に住む、朝鮮系中国人のことをさしていて、朝鮮民族というのとは少し意味合いが違うのだがわかってなかった。

でもって、韓国語を話すのだが、もはや都会のソウルに出稼ぎにやってきたりすると、中国の山奥から出てきた感じの彼らの服装の違いとか、発音の違いとかで、韓国人からしてみたら「朝鮮族か」って感じですぐわかるらしいし、差別の対象になったりもするらしい。

やっぱり言うても中国人だし、みたいなのがあるのかしらん。
そもそも中国には結構色んな民族がいるというのは朧げに知ってはいたものの、中国の国籍には、国籍だけじゃなくて民族も、モンゴル族とか、朝鮮族、ウイグル族とかというように登録されるんだと。

そして朝鮮自治区はなんで朝鮮族が住んでるのかというと、、話せば長くなりそうなエリアみたいだけど、最も近い時代の話としては日本統治下の満州だったエリアで、その時にたくさん朝鮮人が移り住んだらしい。

その辺のことを知らなかったので、知れてよかった。まずそこは大きい。

次に内容。いや面白かったよ。
朝鮮族の主人公が、借金を返すために、韓国に密入国して、見も知らぬ人を殺して帰ってくるミッションを引き受ける。
ついでに韓国に出稼ぎにに行ったまま送金もして来ず連絡もつかなくなった女房も探す。
という話なんだけど、いやあ中国の貧しい感じがリアル。そこから、バスと列車を乗り継いだあとに、密入国業者の手によって貨物船だか漁船だかの船底とボートで、海を渡って密入国する、その描写のリアルなこと!
海に突き落とされるようにして、別のボートに載せ替えられたりする様がね。。
そして韓国に渡ると、それなりに都会で、ちゃんと中国の自治区との違いが感じられるのがいい。

あとミン社長だっけ?が、ヤクザの親分みたいな感じなんだけど、強いんだな、めっちゃ。
別にギャグ要素は無いんだけど、不死身かってくらいにどこまでも走って追いかけてくる姿はターミネーターみたいで、笑えた。ほかの人の感想とかみても笑うところだったみたい。
ロバートの秋山みたいな風貌でね、いやよかったし、やっぱり当時、人気キャラだったらしい。
カーチェイスや血みどろの殺し合いは多いけど、それはなんかそういうノリで笑って楽しむエンタメとして観れたね。

さらにネタバレをすると。
この先ネタバレ失礼しますが、、
悲惨なんだよ。ハッピーエンドではない。
主人公は死ぬんだけど、その死に様が私は好きだ。
八つ墓村だっけ?湖に両脚が突き出してるビジュアル。あれを彷彿とさせるような、、ってまあだいぶ違うか、猟奇的ではないんだけど、なんか海にポツンと死体とお骨の箱って、私には詩的で強烈なシーンに感じられてよかった。

対比がね。
あれだけ激しく殺し合って生き抜いてきたのに、最後は呆気なく静かに死ぬんだ。
それにあんなに苛烈な殺し合いが何のため?と考えると、非常に馬鹿ばかしいことのためなわけ。

そもそも金のために殺人をおかしたけど、ハメられて使い捨ての鉄砲玉にされただけで、依頼者には、金を払うつもりなんてなかったし、故郷に帰してやるつもりもなかった。

しかもその殺人も非常にバカバカしい動機による殺人で、ただ人さまの不倫とかなんだよね。

しかも自分の嫁も不倫してた挙句に、不倫相手に殺されたみたい。
そもそも借金のもとになったのは、嫁の韓国へのビザ代金。

全てバカバカしい、そして人知れずあっさり死ぬんだ。
その対比によって、強烈な生の瞬間があったことが浮き彫りにされてなんか愛おしい気持ちになるんだ。

最後のシーンはよくわからない。
嫁が中国に帰ってきたシーンにも見える。
つまり嫁を信じて中国で待っていれば、いずれ嫁は帰ってきたのにって話だったのかもね。
それもまた、切ない。

けど、そうじゃなくて、ある種の幻影、死者の願望、結局嫁が帰ってきてくれることを夢見て望んでた、、死んだ時に、最後の走馬灯的に願望が叶う幻想を見たっていうふうにととれる。
どちらにしろ切ない。



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映画「さがす」感想。 [映画メモ]

テアトル新宿、満席!
でもヒューマントラストシネマ有楽町より、立派な大きい上映室でなんかびっくり。
テアトル新宿のほうが、旧作とか、あまり観たくないものをやっているイメージだったので、もっと古びた小さい映画館を想像してたのだが。。
何はともあれ、一月は2本観て、優待券の期限切れはひとつだけで済ませることができた。
とはいえギリギリで焦ったわ。
封切られてから初日の日曜までは優待券を使えないという縛りもあるなか、気づいたら有楽町では先週末から多くが入れ替わってるし!

さて、面白かった!
釜山映画祭に出品というのも納得の、昨今の韓国映画に負けないストーリー展開の過激さとスリル。
血がドバッと系の若干グロ目な過激さもコミカルさも韓国コンテンツっぽい。
半地下の家族とか、あと名前忘れたけどほぼSNS上でしか人間関係がなかったことが判明する高校生の失踪した娘を自力で捜索する韓国パパの映画、あれを彷彿とさせる。

内容の事前情報は、失踪した父親を探す娘、というくらいしか知らずに観に行ったのだが、実は昨今の有名事件をかなり織り込んでいた。

座間の男女9人殺人事件。
そして、ALS患者嘱託殺人事件。
リンゼイさん殺人事件。

こっから先はネタバレするが
ーーー

まず実際の殺人事件のディテールをかなり忠実に取り入れている。
たとえばALS患者がTwitterに、日々の所感とともに、死にたいと綴ること。
さらに、座間の殺人は、やはりTwitterで死にたいと呟く人とDLやり取りして、、というきっかけから、携帯を捨てさせる手口、さらに部屋にバラバラ死体を詰めた衣装ケースがたくさんあること、、。
さらに犯人が逃亡して日雇い労働で働いたり、島に逃げたりすること。

まあそれらの要素を全部ひとりの犯人に詰め込んでいるので、同期の点では無理があるかも知れない。
自殺幇助の正当性を信じている+報酬目的。
から始まって、性的快楽のために殺すようになり始めたのか。
そもそも、共犯者には自殺幇助の正当性と報酬を説いていたけど、そもそも元から主犯の男の主目的は性的快楽だったのだろうか。
その辺、映画では1人の主犯に詰め込んでるので、現実の事件と重ねて考えるのはちょっと無理があるのよね。

ただ実際のASL患者嘱託殺人の、共犯者が、なぜ殺人に加担したのか、同期がさらに不明瞭らしく、その辺もこの映画に投影されてるんだろうな。

さて、それでもまあ主犯格の男は、反社会性人格で、一見優男に見えるけど、自分のちょっとした利益のために平気で人を抹殺したり陥れたりして何も罪悪感を抱かないタイプの人間だとすると、その動機は深追いしても常人には理解不能だと思うので置いておくとして、よりフォーカスしたいのは血も涙もあるように見受けられる、普通の人のようにも見える共犯者の方の動機である。

とはいえ、普通の人に見えて普通じゃないことが途中から露呈していく、という書き方にも見えるよね。
誠意を見せるために小指を噛みちぎろうとしたり。
自分の腹を刺したり。
そしてケダモノの主犯者をも手玉にとって殺すことを計画する、実は羊の皮を被ったバケモノはこっちだったか、という所。

そして味を占めて、自分一人で自殺幇助の仕事を請け負おうとするところ。

この辺はとてもブラックジョークが効いていてよい。
バレないとなると、自信をつけ大胆になり、正当化も始まる。
そんな連続殺人のお約束みたいな話を思い出した。

そしてたかが300万円に踊らされまくるのが悲しい人間の性。
もしかしたら、主犯格を殺す計画も、自分を守るための完璧な口封じのため、だとするとやはり小市民的な性ゆえかもしれず、、。

昨今の通り魔的な犯罪を見ると、守るべきものがない何も持たない奴が一番怖いという結論になってるけど、守るべきものがある奴の窮鼠猫を噛むような行動もやっぱりけっこう恐るべきものがあるのかもしれないよな。

まあたまにドラマでもあるよね、息子可愛さで、息子の将来のために邪魔者を排除する母親とかさ。
こないだなんて、孫可愛さに、孫の親権を奪われたくない一心で元嫁を殺害したおばあさんが実在するとテレビでやってたしな。

いやしかし、佐藤二朗!!
良かったよ。

平凡に見えて、本当に平凡な人間は存在しない。
または、平凡な人間も、ひょんなところから狂気の世界の住人になり得る。
どちらでもある。
そういう世界観を佐藤二朗が流石の存在感でうまいこと作り上げてた。



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映画「MONSOON」感想。 [映画メモ]

Monsoon [DVD]

Monsoon [DVD]

  • 出版社/メーカー: Strand Home Video
  • 発売日: 2021/01/12
  • メディア: DVD

すごいよな、ほぼ満席。

それでもぎりぎり残り3シートとかで何とか席をゲットできたので良かった。


テアトルシネマの株主なので、映画無料券を貰えるのだが、これがなかなか消費が難しいシロモノ。

3か月で2映画無料で見られるのだが、テアトルシネマ系列のみ。

ある程度、新作をやってくれるのが、ヒューマントラストシネマ有楽町か渋谷なのだが、意外とすごく見たい映画はやってくれなくて、たまに見てもいいかなというやつがやるのだが、いつの間にか終わってしまったりして、なかなかチャンスを逃しがち。


まあ在宅勤務だからというのもある。

仕事帰りにフラッと寄れたらいいのだが、仕事を終えてから、暗くなった我が家を出て映画を観に行くというのが若干めんどくさいんだよな。


まあそんなわけだけど、今時映画って普通に見ると1900円もするので、無料で見られるのは嬉しい。


さて表題の映画。

わりと評判良さそうだったし、ベトナムに棲んでたこともある私としてはそのなつかしさもあるし、アイデンティティの定まらない中年というのは、海外をふらふらして日本に帰国したはいいが、アイデンティティが定まらない私としてはシンパシーを抱くところもあったので見たのだが。


なんかイケメンをずっと見せられてるだけ、という感じだった。

いや、エンディングに向けて、恋人とバーで飲んで屋上にあがって景色を見るシーンで、だんだん大きくなっていく音楽は素敵で、やっぱり映画館で映画を見るっていいな、と思った。


それに、ベトナムの今、みたいなものをよく表していると思う。

たぶんベトナムで一番オシャレな場所ともいえるような、2区のあのレストランは私もいったことがある。

かたやバイクの大群、ホーチミンの安宿街やバーの雰囲気、西洋人でいっぱいのバスツアー、列車の雰囲気、外国人向けコンドミニアムの雰囲気、ハノイの雰囲気、、、ぜんぶすごくよく描けてる。


それに、一見ベトナム戦争の影なんて見当たらないけど、中高年はまだその記憶を引きずりながら生きているものの、世界に羽ばたいていこうとしてる若い世代からしたら、戦争も古き良きベトナムの文化も、前の世代のもの。


そんな中で、ベトナム難民1世、というよりとても幼かったのでベトナムの記憶はほとんどない、ほぼ2世として、アイデンティティを見つけようとする浮遊感。


世界中にいるベトナム難民2世がアイデンティティを見つけようともがいている、というストーリーは知っていたので、別に新しくはなく、だよね、という感じ。

で、ベトナム戦争に従軍した兵士の子どもであるアメリカ人と恋人になっていく、けっして過去を隠したり無視した上ではなく、お互いの父親のストーリーと、家族と自分のストーリーを語った上で。


しかも出会いはオンラインで、ゲイカップル。現代的で、新しい世代の物語で、世界は進んで行っている。

かといって彼らは中年であり、ちゃんと親の苦労や、人生の悲哀もわかる年ごろで、そこには深い対話と内面的交流と理解があり、出会いはインスタントでも、人間的な結びつきを構築していく。


そういう見せ方はとてもいいと思った。

だけど、やっぱり若干軽いんだよなー。

オシャレで軽いロードムービーって感覚で、ちょっと物足りなかった。

アイデンティティ、結局見つかったの?

まあ生まれ故郷を訪ねたって、そう簡単にアイデンティティが見つかるものではない、というのはとてもリアルだ。

だけど、もうちょっと葛藤とか、ドラマとか、結果として見えた境地みたいなものを見せてほしかったな。


あとあんなイケメン、ベトナムで見たことないんだけどな・・と思ったら、やっぱり主演のヘンリー・ゴールディングはマレーシア人とイギリス人のハーフで、7歳からイギリスで育ったんだそう。


7歳からイギリスで育ったという設定はこの役にぴったりだけど、やっぱりハーフは違うと思う。

というのも、ベトナム難民が異国で育って、祖国を思わざるを得ないのは、自分の容姿がベトナム人そのものだからという話を聞いたことがある。

もちろん西洋においては、ハーフでもアジア人に見えるんだろうけど、ここは設定に忠実に完璧なベトナム人を使ってほしかったな。


ベトナムを訪ねて、自分が外国人ツーリストのように感じるのも、とてもわかるけど、その時に、でも「自分の容姿が完全にベトナム人と全く同じで、容姿的には全く溶け込んでしまうのに、実はベトナム語は喋れないし、習慣もよくわからない」「町のひとからはベトナム人にしか思われず、ベトナム語で話しかけられて、わからなくてびっくりされる」的な要素があるかどうかでリアルさは結構違うと思う。



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「ミステリーという勿れ」一話感想。当たりドラマっぽい。 [映画メモ]

原作漫画は第一話無料とかでどっかの漫画サイトで読んだことがあったので、なんとなく知ってるのだが、けっこうセリフの雰囲気とか原作に忠実っぽい。


いや、いいね。

まずセリフがいい。

組織でおじさんが結束して悪事を働きがちなのを監視するのが、それに迎合しない女性の役割だと思う、とかいうセリフもいいし、仕事が第一とか言って存命中は妻子に関心がなかったくせに、いざ死んだら復讐に使う時間はあるんですね、復讐で職を失うのも平気なんですね、とかもいい。

しかも、復讐した相手を間違えてて、「彼の真実は彼にしかわからない。何不自由ないボンボンのチャラ男に見えてたけど、そう見せていたのは彼なりのプライドだったのかもしれない。」と、実は部活の先輩に金を貸している、というか、強引にせびられていたし、父親に買ってもらった高級車もほとんど先輩に乗り回されていて、自分では乗ってなかったという現実をもってくるストーリーもいい。


若手刑事のふたり、伊藤理佐と尾上松也の演技もすごくいい。


さらにエンディングテーマがKing GNUなのもいい。

Twitterのトレンドで金髪が瑛太だったんだ、気づかなかった、みたいなのが話題になってたので、割と人気というか注目度高いドラマなんだなーと思って、ちょっと作業のバックグラウンドに流しておこうという感じでつけたんだけど、面白いのでいつの間にかちゃんと観てた。



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千と千尋の神隠しの感想 [映画メモ]

なんと!初めてちゃんと観た。
岡田斗司夫のYouTube解説を観て、へえ今度機会があったら観てみようかなぁと思ってたらちょうどよくテレビでやるというので、とってもベストタイミングだったんだけど、なんでこんなに人気になったんだろね?という感想。

たしかにワクワク感はあるのかもしれんよ?
お父さんとお母さんは豚にされちゃうから、どうなるの?とか。
千尋は元の世界に戻れるの?
ハクって何者?
ハク、死んじゃうの?とか。
銭婆をドキドキしながら訪ねていく過程とか。

なんかこう、オズの魔法使いとか不思議な国のアリスみたいな冒険譚な雰囲気はあるかもね?

あとはなんだろ?
ハクがわかりやすいヒーローキャラで受けたのかな?
ちょうどTwitterで、ジョングクが小学一年生の時にハクがイケメンで龍になれるから、カッコいい!!大きくなったらハクみたいになるんだ!と思っていたというインタビュー映像が流れてきたんだけど、そういう感じで子供の心を掴むわかりやすいカッコよさがあったのかなあ。

でも、いいのジョングク?あのハクのおかっぱの髪型は無視できるの?と私は思ったけど、同時に韓国の子どもから見ても、ハクはかっこよく見えるのね、と思うとなんとなく嬉しいような気も。

あと岡田斗司夫の解説による、実はハクは、千尋を水難事故から救ったけど代わりに死んでしまったお兄さん説を唱えていて、興味を持って観たんだけど、ちょっと無理あるなという結論。

実際ジブリの公式Twitterアカウントも、ハクは千尋が溺れそうになった川の神様だと言ってるし、アニメの中でもそう言ってるしね。

普通に川の神様だと思ったわ。
ただその川がマンション建設のために埋め立てられて、それで気づいたらこの湯屋のある世界にハクは意識を失い突然放り出された?としても、なんで魔法使いの弟子になろうとしたのかは語られずよくわからんよね。

それに銭婆が魔法は役に立たない、実際にみんなで手を動かして紡いだものこそ意味がある、みたいな感じで、坊と銭婆とカオナシとで紡いだ糸で作った髪留めを御守りとして千尋にくれるんだけどさ、、なんとなくわかるよ、多分仕事の価値観みたいなことだと思うのよ。

デジタル化とかで薄っぺらく大量生産されたものよりも、苦労して真心込めてみんなで愛情こめて作り上げたその経験とか仕事に価値がある、的な価値観をこめてるんだと思う。

が、髪留めかー、、なんか弱いなと思った。
たしかに昔だったら、カンザシとか櫛とかって、身につけてるものをあげる、とかで、なんかそれなりに心のこもった贈り物だと思うけど、ゴムでしょ??という。。

元の世界に戻った時に一瞬キラリと光るのは、髪留めだけが千尋が異世界に行ってた証だからとのことなんだけど、、。
うーん、たしかに誰も気づかないような、あまりにも些細なものすぎるところがいいのか。
これがなんか価値のありそうな水晶とかで出来てそうな髪留めだと、あんた、それどこでどうしたの?と母親とかに気付かれそうだし。

でもなあ、と私は思った。
あも神隠しといいつつも、あまり本来の神隠しっぽくないところが少し不満かな。

神隠しって、やっぱり異世界に行ってる間に、家族やらがあの子が消えた!!!って騒いでこその概念だと思うんだけど、この作品では、騒ぐ側の視点が入ってなくて、家族3人で異世界に行ってるし、なんか誰目線で神隠しっておっしゃってますかね、な感じがあるかなぁ。

でも岡田斗司夫いうところの銀河鉄道の夜のオマージュというのはたしかに感じられた。


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だから町山智弘さんが大好き。 [映画メモ]

さっきポッドキャスト聞いてよかった。

今日の19時から町山さんがジェーンスーとかと一緒に、どみゅーんというインターネットメディアで「素晴らしかな人生」を見ながら談話するイベントがあるらしい。




これかな、どうやって視聴するんだろう。

アマゾンプライム会員なら無料視聴できるのかな、、残業しながら見るとしよう、間に合ってラッキー。



事業に失敗して自殺しようとした男が、天使に出会って、俺なんて生きてる意味がない、というのだけど、じゃああなたがいなかったらどうなっていたかの世の中を見ていきましょう、という話で、アメリカでは毎年クリスマスに集まって人々が一緒に見るのが恒例になっているほど傑作中の傑作クリスマス映画なんだとか。


そして、自分では気づいていないだけで、人間はいろんなところでいろんな人とつながって影響を与えてきたし、与えている。

「人間は生きてるだけで、いろんな人を幸せにしてるんです」というのがこの映画の主題。


まあこの映画イベントはもちろん元々クリスマスにあわせて企画されていたものでしょうが、ああ町山さんのこと本当に好きだなと思ったのは、敢えて口にしない思慮深さ。

敢えて口にはしないけど、こんな時だから絶対に絶対にこの映画は見てください。

人間は生きてるだけで、いろんな人を幸せにしてるんです。

と言ってて、泣けた。


同時にクリスマス映画として、手りゅう弾を投げまくるようなバイオレンスアクション映画を紹介するところも好き。

みんなが幸せそうに見える時期に、あんまり幸せじゃない人への配慮ができる人。

いつも弱者の視点に立てる人。

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イカゲームに思う、世界征服中の韓国コンテンツの特徴。 [映画メモ]

パラサイトでめっちゃ確定的になったというのが個人的なところだけど、
韓国コンテンツ、マジで世界征服中だなー。
BTSを代表するKPOPのほうと映画界、ドラマ界とで無双。
と思ったのがイカゲーム。
ものすごい勢いで話題になってるとのこと。
グロそうなので、観たくはないんだけど、これだけ話題になっているので少しは知っておきたいということで、Netflix契約者だし、ところどころを抜粋して観てみた。
感想としては、「ははあん、韓国コンテンツっぽいなー」という感じ。
1)基本扇情的。容赦なく刺激的なエグいストーリー展開。エキサイティングで刺激的なのでエンタメコンテンツとして心を揺さぶるし面白いことに間違いはないので、人気が出やすいのはわかるけど、マイルドさや優しさ、味わい深さを含有する日本コンテンツや、王道エンタメなハリウッド映画的米コンテンツに鳴れている身としては、ちょっと漫画チックに感じることも。
2)でもそういう意味では日本の漫画のエンタメコンテンツとしての完成度の高さを、韓国の若者が一身に浴びながら育った結果として、世界に通用する映像作品を作った、結実みたいな側面も結構感じられて、なんとも。日本の漫画のパクリみたいな既視感を感じることも多く、発想が全く新しいかといわれると?ということも結構ある。でも完成度はすごく高いので、評価されるのはわかる。
こういう感じ。
今の私が韓国コンテンツというのものに全般的に感じること。
KPOPもそうだ。
ガールズグループのダンスや衣装が過剰に扇情的だとして、昔はちょっと議論を呼んだことがあったようで、昨今はそういうんじゃないところで勝負するようになってきてはいると思うけど、根底にはやっぱり扇情的な特徴というのはあると思う。
あと例えばBTSとかもすごい才能だと思うんだけど、KPOP全体としてとらえると、みんな同じような楽曲で個性がなかったり、その無個性さというのも、米国POPをベースにマーケティングしてこういうダンスミュージックが受けるという方向性を掘っていった結果とか、BTSが切り開いたとしたら、他のグループもBTSに寄せていっているから?とか思うくらいに、みんなおんなじように思えたりする。ので、その集大成として、クオリティの高いものをつくって、高評価なんだからいいんだけど、、、というところがいまひとつあるのかも。
ただそれは私が年をとっただけ、いつの時代も、何かに影響されたコンテンツが生まれ続けているわけで、年寄には何かの焼き直しに感じられる、ということかもしれない。
若者にとってみたら、いつだってそこから入るわけだから、それを思うと、クオリティが高くて、パクリとも言い切れないきらりと光るオリジナリティや前途有望な才能が感じられたら、それだけで諸手をあげて称賛すべきなのかもしれん。

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探偵はBARにいる。パート1,2 [映画メモ]


探偵はBARにいる 【DVD3枚組】「探偵はここにいる! ボーナスパック」

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  • 発売日: 2012/02/10
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探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 ボーナスパック【Blu-ray1枚+DVD2枚組】

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Blu-ray

ちょっと軽めの作品を見たくて、面白いかわからんけど、大豆田とわ子で私再注目の色気ボンバー松田龍平が出てるから、悪くないかもしれないと思って見始めてみたら、意外とよかったので、2作連続で見てしまった。


いいじゃねーか、割と。

傷だらけの天使の大ファンの私としては、このB級探偵もの感、いいよいいよ。

しかも、バディものとしてのコンビ感も、久しぶりに好きな感じよ。


北海道が誇る大スターである、大泉洋が、ススキノを根城にしている探偵っていうのもいいし、大泉洋の感じが、やさぐれた探偵にちょうどいい。さらに松田龍平がその相棒なんだが、北大で農業を専攻している学生だか研究員だかで、バイトで雇われているのに、タメ口でふてぶてしいし、やる気があるようなないような、な感じなのだが、空手有段者で、めっちゃ強いっていうのがいい。


しかもめちゃくちゃセリフが棒読みというかクールで、熱くなる大泉洋と対照的なのがいい温度感。

それに、めちゃくちゃぼろい車に乗っていて、肝心な時にエンストして発進しないのだが、怒って車に怒鳴りつけると車がへそを曲げるということで、二人そろって、大ピンチの時に、猫なで声で車に、動いてねーってなだめすかすのがまたいい。


しかもそれ以外のキャストも意外と豪華だし、話もけっこう深イイわけよ。

特にパート2の渡部篤郎の政治家の悲哀とか、すごくよかった。

パート1は、小雪の存在感。あの頃、小雪はラスボス的な存在感はなってたよなあ、と改めて小雪の唯一無二感を思い出した。

ケイゾクの頃。懐かしいな。ケイゾクも大好きだったな。

で、あの映画へんでの小雪を思い出させるほど、この映画でも小雪最強説を確認できた。

小雪は、年とっても輝きが減らないタイプの顔つきをしてると思うし、もっとすごみがでそうだから、ぜひ映画界に復帰してほしいなあ。

でも、パート1、パート2は、ゴリゴリの任侠映画とかの監督さんだからか、結構エログロで、やたら裸体とかお色気シーンがあったり、血まみれ蜂の巣シーンがあったりする。

そういえば、高島政伸の変態演技も面白かった。この人、いつの間にかこういう演技の人になったんだっけね。


いやあ、パート3は監督違うみたいだけど、観るの楽しみだ。



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映画「トーベ」の感想。 [映画メモ]

ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの映画「トーベ」を見てきた。

わりかし、サガンとか、シャネルとか、パトリシアハイスミスのやつとか、なんとなく似た感じの、女性の文化人の奔放な恋愛遍歴みたいな感じの作品は観ている気がするんだけど、そんな中でも、よかったね。

一番身近に引き寄せて見られたというか。


まあトーベががっつり失恋するところがいいんだろうなあ。

自由な魂、といいながらも、やっぱり人間、絶対的に愛する人は独り占めしたくなるわけだし、自分のことも絶対的に愛してほしくなるものであって、その矛盾が痛烈。

なんというか、でも清々しい恋愛遍歴なんだよな、すべて自律的というか、能動的というか。

そしてまっすぐぶつかって、という。

惨めったらしい詐取されてばかりの愛の奴隷的な恋愛の仕方でもないけど、圧倒的優位からの弄ぶ的な恋愛にもなってなくて、真摯な感じがする。

恋愛を美化も卑下もしてない感じの描写の仕方もいい気がする。


あとはトーベがあんまりまだ売れてなくて、スターでもなくて、芸術家として認められようとしてもがいていたり、嫉妬したりしている描写がいいんだと思う。


最後、もう終わりにしないとと思いながらも、愛してる、と告白するトーベに対して、私はパリを愛してる、と回答するヴィヴィカ。

このシーン、よかったな。

ヴィヴィカが、そこでバッサリとそう回答するところがいい。


そして、トーベが、ヴィヴィカとの出会いと別れを、「滝から現れた美しい竜に襲われたみたいな素晴らしい経験」と「竜を大自然に還してあげないとね・・・」と表現しているのもとてもよかった。


こういう感じはとてもよくわかる。

愛しているけど、1対1でコミットした関係は考えられないということはあったし、それはなんでかと言えば、やっぱり生息地が違うからというか、私は海と川と陸を行き来する動物だけど、向こうは川にしか棲めない動物で、でも私は一生川に棲むことはどうしても考えられないから、みたいな感じだったし。



で、結局どういうことなんだろうな、と考える。

ヴィヴィカはトーベを愛してなかったわけじゃない。

だけど、私もあなたを愛してる、とは言わず、私はパリを愛している、という、でもそれの方がやっぱり真実なんだと思う。

ヴィヴィカもヴィヴィカなりにトーベを愛してはいるけど、トーベと同じ熱量では愛してないから、「愛してる」はやっぱりウソになるんだと思う。

その愛は、やっぱり「とても好き」とかそういう風にも言い合わされるようなもので、「あなたがそばにいてくれたら嬉しいし、あなたがいないとつまらない」とは思うけど、でも「あなたのいない世界なんて太陽のない世界と同じ」というほど絶対的に惚れている、というものじゃないんだよね。

だけど、芸術家なんて、なかなか、みんなそういうところはあるんじゃないだろうか。

つまり、自分の芸術のほうが、愛とか恋よりも重要な気がする。

でも、結局惚れたほうが負けで、惚れて惑わされてしまったほうは、苦しみ、苦しむことで執着する。

トーベだって、自分の芸術のほうが大事なのだが、苦しんで執着して、また苦しむのだ。


でも、愛を分散できる人ヴィヴィカは、ほかにも愛を分散しているから、執着はしない。

そういうことなのだろうか。


それにしても結局人間は都合がいいもんだな、と思う。

町山さんの解説によると、男性の恋人である新聞社の男は、スナフキンに投影されているとのこと。

既婚者で、妻のもとに帰っていく男性を、旅に出て春になったら帰ってくるスナフキンにたとえていて、そんなスナフキンが大好きで、いつも首を長くして待っているムーミンにトーベが投影されていると。


だとしたらそんなに絶対的に大好きだったのに、ヴィヴィカを愛してしまったら、もうスナフキンでは心を満たせなくなってしまうわけだ。

そして最初は都合のいいことをたくさん言っているのだ、たとえば、奥さんがいたって関係ないとか、男はあなただけ、女はヴィヴィカだけ、とか。

結局、自分の心の上でそれで都合が良かった時には、それでいいんだけど、結局本気になれば、そんなわけにはいかなくなるわけで。

そして最後に、傷ついた経験を受け止めてくれるような、穏やかな関係を築けそうな女性と添い遂げたそうで、それもなんだかありがちっぽくて都合がいいなと思った。

もちろん、ハッピーエンドでよかったじゃん、という話ではあるんだけどさ。


そう感じてしまう私はひねくれているのだろうか。

ただトーベも、もともと自立していて自由なところもあり、、でもヴィヴィカの自由さとは何が違うのだろうかね。

やっぱり、愛が深くなれば、不自由になるのは、自然ではあるし、そういうことなのかな。

結局、頭で、自由な魂、自由な精神といったところで、愛が執着や独占欲を伴うことも自然の摂理だしな。

それか、あとはやっぱり友情のような愛情か、というところもあるかもしれない。


友情のような愛情の場合、深い愛でも、独占欲に結び付かずにおける。

だからヴィヴィカの感じはわかるんだけど、コミットした関係になれないと悟って、終わりにしましょう、と関係に終止符を打つトーベの側は、やっぱり1対1の関係じゃないと耐えられなかったわけで。


そして「結局二股してる奴は二股されている」という、大槻ケンヂ論を想起させる。

大槻ケンヂは、最盛期に10股くらいかけていたけど、結局判明してみたところ、相手の女の子たちもそれは同じで、お互いに1of Themだから、それが成立してたことがわかったんだと。

それがわかった大槻ケンヂは賢いほうだよね。

でも実際、私の若い頃の友人で、二股かけている女の子って、百パーセントの確率で、一方が既婚者で、一方が不義理な同世代の男だったりして、要するに、彼氏に二股をかけられているから、その穴を埋めるために既婚者とも付き合っていたりか、その逆か、みたいなのばっかりだったんだよね。

浮気相手が本命になれない説と同じで、50%でちょうどいい相手を100%の相手に繰り上げようとしてもうまくいかないし。

100%の相手と100%向き合える恋愛ができていれば、そもそも二人目なんて考えが浮かばないものよね。


なんていうことをトーベを見ていて改めて思い出した。

結局ヴィヴィカは旦那もいて、「旦那がいると便利よ」という発言を最初の頃にしていることからもわかるように、やっぱりヴィヴィカは最初から30%とか50%とか位しかトーベには求めてなかったのかもしれないよなあ。




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映画「マンチェスターバイザシー」の感想 [映画メモ]


マンチェスター・バイ・ザ・シー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: DVD

これもいつもの通り、町山智弘さんの映画評が印象に残り、ぜひ見てみたいと思っていたので、観た。

まあ、ある程度のあらすじを町山さん解説で知ってしまってから見るので、ああそういう感じねー、、という感じで、彼の映画評を上回るほどの衝撃や感動はなかった。正直。


でも、良作という感じはした。

機微みたいなものを、丁寧に描いていて、リアリティがある。

人生再生物語みたいな感じだと思っていたので、もっと最後上がるのかと思ったけど、そこまでじゃない、そこまで劇的に変わるわけじゃないけど、ほんの少し、確かに変わった、真人間に向けてのスタートを切った感じの手ごたえがあって、その劇的じゃないところが、リバウンドしなさそうでリアルでよい。


それにその真人間に向けての変化、というのも、説得力がある。

こましゃくれていて、器用で、自分がいないとダメとまではいえない年齢、16歳の甥っ子が見せる、弱さ。

そんな甥っ子がなんだかんだで、自分を頼っていることもわかる。

やっぱり、人はそうやって誰かに頼られて、特に子どもに頼られて、それを食わせ、守り、導くために、自分は真人間になれるところがあるんだろうなと改めて思う。


そんな中で、過去の傷を思い切り開かれる。

開かれるから、悲鳴ものだけど、膿も出される。

今更で、壊れた関係は覆水盆に返らずだけど、それでも、元妻からの謝罪と愛の告白は、彼の傷を多少癒しただろう。


というわけで、考え得る中で、一番、リアルな再生だった。

新しい女ができて、とか、新しい子どもに出会って、とかよりも、ずっと現実はこういうもんだと思う、

つまり自分が放置してきた、または崩壊した既存の人間関係のなかに、何かが見つかることも多いと思う。


そして元妻が、すでに新しい旦那がいて、妊娠中、という設定もいいよね。

元妻とまた寄りを戻せるような話ではないので、そういう可能性を封じてあるほうがいいし、リアル。


何がこの映画のいいところなんだろうか。

そこまで評価の高いところなんだろうか。


正直私は、ぱっと言えないけど、自分的には、突然16歳の育児をせよってなった、親じゃない大人げない大人、というものと、ティーンエイジャーの関係性みたいなのは面白かったかな。


いっぱしにセックスもする癖に、おじさんアイス買うからお金頂戴、とかいう面も見せてくるのがリアルだよね、16歳ってそんな感じの年ごろかもしれない。

さらに、おじさんは便利屋なんだからどこでだって仕事できるだろ、とか言ってきたり、メンドクサイから俺のことを人に押し付けて逃げるんだ、とか言ったり、ママに会いにいって傷ついたり、いっぱしの癖にまだ保護が必要な感じのリアリティがいい感じだったし、それにムカつきつつ付き合ってあげたり突き放したりしつつ、実際は自分の問題で手いっぱいな大人。

でも大人の弱さも、16歳ならちょっと解って、大人を思いやってあげる部分も多少はある。


そういうのがしみじみした。




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