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映画「アメリカン・フィクション」感想。

私、これ好きね。
良かった。やっぱり自分が中年になってきたせいか、中年クライシス的な話は共感できるし面白い。
おそらく若い人が見たら、ゲンナリしちゃうのかもしれないけど、中年にとってはリアルなんだよな。
ハワイのジョージ・クルーニーの話、ファミリー・ツリーか。
あれもそんな感じだったけど気に入ったもんな。

家族の世話からは逃避してきたけど、それをやってきてくれてた人が亡くなり、自分がその手の世話を焼かなくてはいけなくて四苦八苦しながら、自分の今までの冷たさや至らなさを思い知りながら人生の再構築を図る・・そう、中年になるということは、そういう思わぬ死に立ち会うことでもあり、家族にたいして責任を果たしていくことでもあり。

主題としては、黒人に貼られたステレオ・タイプとどう向き合うか、
そんなステレオ・タイプに迎合した小説を書いたら大ヒットしてしまい、そういう売れるためそれに迎合する作家ってどうなの、とか、いかにもな時代性を扱えばそれを評価しちゃう文壇もどうなのとか、その辺りなのだが。。
それらは、まあポップにライトに盛り込まれていて、まあそうよねーって感じで、シニカルなコメディとして普通に面白かった。
が、普通に人種とか関係なく、中年クライシス・ストーリーとして共感できたし面白かったわ。

なんか学ぶところがあるとしたら、やっぱり正直になることじゃない。
プライドの高い自分、そんなところにプライド持っちゃう自分は小さいよね、というのがわかってるから、隠すわけだろうけど、そういうコソコソしたところは見透かされるし、不信感のもとになる。別に悪いことを隠していると思わなくても、高慢な嫌なやつに見えたりする。

多分そういうところかなと思うわ。
それで彼女に振られるんだもんね、主人公は。

さて、ちょっとなーと思うところがあるとしたら、ゲイの兄かな。
少し人物描写が説明的でわざとらしい気がする。
白人女性とカモフラージュ婚をしていて子供も儲けて、男と不倫しているのがバレて離婚したばかり。でも今はオープンリーゲイとして、ゲイライフを謳歌、という設定なんだけど、なんかちょっと違和感があったかな。

それでも、痴呆が入ってきた母に、あなたまさかゲイじゃないわよね、と言われて出ていってしまうシーン、痴呆の母が、死んでしまった娘が海にいると思い込んで、「あの子泳げないんだから、助けないと」と夜の海に入っていくシーンは切なかったな。

あとはしっかり者で美人でユーモアもあって、、そんな姉が独り身であっさりと50代で亡くなってしまうこと。
これもなんかリアリティがあって悲しかった。
家族もいないから、本当に風のようにいなくなってしまう。
母親は痴呆だから、娘の死をあんまりよくわかっていない。。。

一番のほっこりシーンは、60代くらいのお手伝いさんが、同年代の警官と結婚するところ。
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