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映画パーフェクトデイズ感想

今ひとつでしたね。
ヴィム•ベンダースは結構好きな監督だったはずだ。
でも何の映画で好きだったのかすらもはや忘却の彼方。
代表作チェック。
パリ、テキサス。ベルリン天使の詩あたりだと思う。
見たのは間違いない気がするが、内容すら忘却の彼方。

ピナバウシュは映画館で見た。
良かった。
が、ピナバウシュが良かったということかも。

さて、パーフェクトデイズ。
独身の壮年男性の日常を淡々と描いて、シンプルTOKYOライフの中にもいろんな交流や生きる喜びがあるのがいい感じではあるのが、結構退屈してしまって映画館でまだ終わらないのかーともじもじしながらやっと終わるのを待った。

TOKYOをいい感じで紹介していると思うけど、やっぱりTOKYOのキャンペーン映画みたいな感じもある。
日本の良さである綺麗でハイテクなトイレや、下町IZAKAYAとかTATAMI生活とか、SENTO文化、KAWAII女の子とか、良い感じで紹介できていて良いなと思う。
が、ちょっとそういうキャンペーン風味を否めない感じ。

あとは、ちょっと人物描写が浅い気がする。
日本人はね、そうそうハグしたりキスしたりしないんです。
この辺は役所こうじ、監督に物申さなかったのかね。
不自然だ。

若い女の子が、なぜ壮年の役所こうじのほっぺたにキスする?
ありえない。
そりゃトイレ掃除に従事してるおじさんにしては、役者さんだからやっぱりハンサムだしシャキッとしてるよね、やっぱり。
だとしてもよ、だとしても黙っても若い子がほっぺにチューまではありえんな。
どんなにエキセントリックな女の子だとしても。

キスしてくるおかっぱエキセントリック少女にしても、
その少女に惚れてる後輩くんにしても、これじゃ意味不明人物すぎる。
もう少し、意味が通るような人物造形ができたんじゃないかと思ってしまう。

家出してきた姪っ子や、その母親、つまり役所広司演じるおっさんの妹とか、おっさんの来歴とか、「匂わせ」で全部終わってるのも残念。
なんとなく、お金持ちの家の子だけど、父親と確執があって、親族と断絶しているのはわかる。妹はそのまま運転手付きの良い暮らしをしているが、姪っ子はおじさんを慕っている。
そのくらいはわかるけど。
あと、姪っ子と妹をハグするのが違和感。
日本人の距離感じゃないと感じた。
日本人が万感の思いを込めたいんだったら、背中ぽん、頭ぽん、くらいじゃない。
それもかなりスキンシップ多めタイプの日本人だと思うけど。
役所広司世代で、かつ役柄のような無口で控えめキャラだったらまずないでしょ。

姪っ子がおっさんを慕ってるのも、若干都合がいい気がする。
まあ許せる範囲だけど。

ちょっとあとね、町山さんの解説を見てから見に行ったのでその影響も多少あると思うが、ヴィムベンダースはなんか、自分がもしかしたらこういう歳の取り方をしていたかもしれない、というのがあるのかもしれないなと思った。

映画監督として成功したからこうはならなかったけど。
失敗していた時の世界線を見てみたい、それはそれで幸福に暮らしていることを願いたい、というのがあるんじゃないかな。
そんなふうに感じた。

そういう意味では、それは本当にそうだと思う。
人の暮らしに優劣はなくて、側から見るとなんだか孤独な暮らしに思えるかもしれないけど、そこには幸福があり、その幸福に優劣はない気がする。
お金持ちにはお金持ち、家族もちには家族持ちの幸福や惨めさや難題があるし、孤独な生活、質素な生活も然りだと。

私の好きなシーンは、三浦友和と役所広司のかげふみだ。
あれはなんかすごく良かった。
あのシーンは傑作だし、自然だった。
壮年のおっさんたちが、敬語で、かげふみするの、あれはとっても良かった。

でもまあ全体で見ると、ちょっと「こうであってほしい」という御伽話の側面が大きいのが気になりました。
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