LULUPANの動画がいい。KPOPの光と影。 [メディアまわり]
おもえば2020年は、冬眠してたかのように、あっという間に終わったが、しいてタイトルをつけるとすると、韓国に始まり、韓国に終わった一年だったように思う。
というのも、私はコロナ禍が始まる直前、最後の海外渡航は韓国。
といってもその当時はまだ、韓国料理が好きで、韓国ファッションとか韓国美容にも興味あるよ!っていうくらいであり、韓国コンテンツには全然興味なかった。
が、思えば、徐々にきてたよな。
パラサイトはみたいなー、くらいに思ってたはずである。
まあ実際見たのは、結構最近、11月だったんだけど、最後、インディアンの羽をつけた父が刺した時の壮大なカタルシスは忘れがたい。
うわーっと、泣き叫ぶように、吠えるように私は泣いた。少なくともそういう気持ちになった。
一瞬であそこまで、私の気持ちを吐き出させる、その演出はすごいなあと、色々韓国コンテンツ見てみてもいいなという気にさせたのは確かである。
で、年末に来て、おひさしぶりのクリスペプラーHOT100でBTSに出会い、、、まあHOT100をほぼ高校生ぶりに聞く気になったのも、それだけ時間があったからというか退屈してたからともいえて、コロナ禍のせいともいえる。ま、在宅勤務のおかげっていうふうにも思える。
あとまあ日本にいてRADIKOが使えるってのが大きいよね!海外在住だと基本はRADIKO使えないから。
前置きが長くなったが、そんなこんなで、韓国コンテンツのクオリティの高さに気づいたところで、LULUPANという人のこの動画に今日出会った。
クオリティがめちゃ高い。現代美術みたいな示唆に富んだ作品。短編小説みたいかも。
日本語が上手だし、オーストラリア在住?らしいが、韓国人のクリエイターみたいだ。
そんな韓国人クリエイターが発信するこの動画。
原作的なものをアレンジしてこの動画を作成した、フィクションだ、というのはもちろんわかるのだが、韓国人が作成したとなると、リアリティがある。
というか、ものすごいリアリティを持たせている。
手術シーン、化粧シーンの気合の入り方が本気である。
昔の少女漫画みたいに、すごくアレな子が、整形手術で美女に生まれかわるー、、というSF的なざっくりしたものではなくて、ごくごく一般的な普通の容姿の子が、どこをどう変える整形をして、どこをどう強調した化粧をすれば、絶世の美形アイドルになれてしまう、そのすべてが超リアル。
涙袋メイクから、整形手術後の腫れた目までリアル。
肩の脂肪吸引で肩回りスッキリして、でも首にまで赤あざがっつりなのをファンデで隠すとかもリアル。
KPOPスターって、やたら顎が細くとがっていて、唇ぷっくりがお約束だけど、ああいう手術をするのが一般的なのか、という知見も得た。
さらに派手で人工的な髪色というのは、整形で人工的になった顔や、濃いメイク、カラコン、白めに塗り込んだ肌などを人工的に見せない、という意味で重要なんだなと改めて理解した。
さらに髪色が変わることで、一気にスター感が出る。
デビュー前の朴訥とした一重に眼鏡の素朴な女の子は、本当に韓国にものすごくたくさんいそうな顔であり、さらにデビュー後の顔も、もうまんま韓国アイドルにいる感じの顔。
でも本当に泣けちゃうの。
アイドルに憧れる素朴な女の子が、歌とダンスのレッスンと、整形による完璧な容姿を、事務所の教育と援助で手に入れて、いざデビュー!という頃には、もう後戻りできない。
ここまで投資して育てた分、今やめたらペナルティ。でもスターになるなら、わかってるだろ?
そしてマスカラがにじんだ黒い涙。ここもまたリアリティ。
女子のリアルな涙は黒い涙。
この子はデビューできただろう。売れたら幸せになれるかな。
その前に精神がまいるのだろうか。
KPOPを楽しむということは、こういうことでもあるという後ろ暗さが私にはある。
なんというか、いたいけなティーンエイジャーの、アイドルになりたいという可愛い夢の影に、
こういう話は何百も転がっていることは想像できる。
もはやYOUTUBEで、ビフォーアフターを山ほど見ている私たち。
ものすごい落差のあるすっぴんをさらす人、整形をカミングアウトする人にあふれた現代。
完璧な顔の美少女も、化粧をとればただの人。整形前はただの人。スターだって例外じゃない。
顔なんてその程度の問題だということをすでに知っているのに、それでも最大限盛ろうとするタレントを、当たり前に消費する。
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