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ブレイディみかこ「ワイルドサイドをほっつき歩け」感想 [読書メモ]

ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

  • 作者: ブレイディみかこ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: Kindle版
ご存知、ホワイトでブルーでイエローのブレイディみかこさんの本。
私はこっちの方が好きかも。
ホワイトで〜は、ちょっと子供向け優良図書な感じで、息子の優等生ぶりも彼女自身の教育の仕方の優等生ぶりも
正しすぎて眩しいような、若干鬱陶しいように感じた記憶がある。
もちろんそれ以上に関心したり共感したりした点もあったとは思うんだが。
ここにおそらく感想をメモったと思うが、なんて書いたかはあえて今は読み返さずにまずこれを書く。
こっちはもっと、英国の労働者階級の現在60歳くらいの人たちの哀愁漂う感じが良かったな。
私は30歳くらいの時に出世競争で、ガラスの天井を感じて、
男たちのドロドロした足の引っ張り合いも目の当たりにして、
会社員は嫌だと、いつかは起業しようと思うと同時に男という生き物がかなり嫌いになった。
逆に言えばそれまでは割と好きだったんだと思う。
そしてそんな時に男嫌いになったらいかんと、男の何が好きだったか
思い出そうと思って手に取ったのが梅佳代の男子だった。
男子

男子

  • 作者: 梅 佳代
  • 出版社/メーカー: リトル・モア
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: ペーパーバック
そこには私が好きだった男というイキモノのエッセンスがつまっていた。
馬鹿なことが出来てしまうシンプルでかわいい男子という生き物が好きだった。
さてこれを読むと、その梅佳代の男子を思い出した。
男子が、小学生男子なら、こっちは60歳のおっさんの男子的な側面に光を当てている感じというか。
作者は、おっさんは世界中で悪者にされているが、それだけではない、愛すべき部分もあると言いたかったと前書きで述べていたが、その意図どおり、十分におっさんの良心と哀愁を感じられた。
こんまりにハマったり、金目当てのタイ人若妻の連れ子の世話をせっせとやいたり、ホームレスの若者を泊めてやったら金目のモノを全て盗まれたり。なんというか寅さん的な人情がある。
寅さん見たことないのでイメージで言ってるが。
私はけっこう同僚のおっさん達と同僚トークするのはそれなりに好きであったしなぁ。
結局、男女関係とか、出世とかが絡まない、ただの友達とか同僚としてはやっぱり男という生き物は好きなのである。
がこれまた男女関係となると難しいんだよな。
さらに経済格差、人種、国籍の違いが絡むとまたね。。
東南アジアで暮らしてた頃、外国人として、または先進国の人間として西洋人の側に共感し同情する
こともあれば、アジア人として、ローカルの側の人間に共感して同情することもあった。
そしてこの本を読むとどうやらイギリスでも事情は同じなんだなと思った。
茶飲み友達とか、同僚とか、趣味の友達くらいの関係性が気軽でいいよね。
とはいえ、カップルとか夫婦というユニットとして持ち物をシェアする、家族になる、そういうことの良さもやっぱりあるんだよね。リスクもあるけど、代えがたい良さがある。
この本は、ブレディみかこが、身近なおっさんだけでなく、あわせて身近なカップルについて、語っている。
ありなのか、なしなのか、なんで彼らは一緒にいるのか・・想いを馳せている。
なので、私自身、リレーションシップのいい塩梅のあり方ねえ、とふと想いを馳せるような本だった。

犬を愛でるように、違う種類のイキモノだと思って、面白いイキモノだね興味深い!そういう言動しちゃうのか!というくらいの距離感で、気分転換と癒しみたいな、それこそ茶飲み友達程度のことだけ期待するか、抱き枕程度か、またはお前も今日も生きてるんだね、という金魚程度のことか、それくらいしか期待せず、なんなら大型犬くらいのことは期待したいけど、そうやって犬を飼うように一緒に暮らしていけたらちょうどいいんじゃないかと思ったりすることはよくあるんだけど。


どうなんだろうかな。


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