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映画「さがす」感想。 [映画メモ]

テアトル新宿、満席!
でもヒューマントラストシネマ有楽町より、立派な大きい上映室でなんかびっくり。
テアトル新宿のほうが、旧作とか、あまり観たくないものをやっているイメージだったので、もっと古びた小さい映画館を想像してたのだが。。
何はともあれ、一月は2本観て、優待券の期限切れはひとつだけで済ませることができた。
とはいえギリギリで焦ったわ。
封切られてから初日の日曜までは優待券を使えないという縛りもあるなか、気づいたら有楽町では先週末から多くが入れ替わってるし!

さて、面白かった!
釜山映画祭に出品というのも納得の、昨今の韓国映画に負けないストーリー展開の過激さとスリル。
血がドバッと系の若干グロ目な過激さもコミカルさも韓国コンテンツっぽい。
半地下の家族とか、あと名前忘れたけどほぼSNS上でしか人間関係がなかったことが判明する高校生の失踪した娘を自力で捜索する韓国パパの映画、あれを彷彿とさせる。

内容の事前情報は、失踪した父親を探す娘、というくらいしか知らずに観に行ったのだが、実は昨今の有名事件をかなり織り込んでいた。

座間の男女9人殺人事件。
そして、ALS患者嘱託殺人事件。
リンゼイさん殺人事件。

こっから先はネタバレするが
ーーー

まず実際の殺人事件のディテールをかなり忠実に取り入れている。
たとえばALS患者がTwitterに、日々の所感とともに、死にたいと綴ること。
さらに、座間の殺人は、やはりTwitterで死にたいと呟く人とDLやり取りして、、というきっかけから、携帯を捨てさせる手口、さらに部屋にバラバラ死体を詰めた衣装ケースがたくさんあること、、。
さらに犯人が逃亡して日雇い労働で働いたり、島に逃げたりすること。

まあそれらの要素を全部ひとりの犯人に詰め込んでいるので、同期の点では無理があるかも知れない。
自殺幇助の正当性を信じている+報酬目的。
から始まって、性的快楽のために殺すようになり始めたのか。
そもそも、共犯者には自殺幇助の正当性と報酬を説いていたけど、そもそも元から主犯の男の主目的は性的快楽だったのだろうか。
その辺、映画では1人の主犯に詰め込んでるので、現実の事件と重ねて考えるのはちょっと無理があるのよね。

ただ実際のASL患者嘱託殺人の、共犯者が、なぜ殺人に加担したのか、同期がさらに不明瞭らしく、その辺もこの映画に投影されてるんだろうな。

さて、それでもまあ主犯格の男は、反社会性人格で、一見優男に見えるけど、自分のちょっとした利益のために平気で人を抹殺したり陥れたりして何も罪悪感を抱かないタイプの人間だとすると、その動機は深追いしても常人には理解不能だと思うので置いておくとして、よりフォーカスしたいのは血も涙もあるように見受けられる、普通の人のようにも見える共犯者の方の動機である。

とはいえ、普通の人に見えて普通じゃないことが途中から露呈していく、という書き方にも見えるよね。
誠意を見せるために小指を噛みちぎろうとしたり。
自分の腹を刺したり。
そしてケダモノの主犯者をも手玉にとって殺すことを計画する、実は羊の皮を被ったバケモノはこっちだったか、という所。

そして味を占めて、自分一人で自殺幇助の仕事を請け負おうとするところ。

この辺はとてもブラックジョークが効いていてよい。
バレないとなると、自信をつけ大胆になり、正当化も始まる。
そんな連続殺人のお約束みたいな話を思い出した。

そしてたかが300万円に踊らされまくるのが悲しい人間の性。
もしかしたら、主犯格を殺す計画も、自分を守るための完璧な口封じのため、だとするとやはり小市民的な性ゆえかもしれず、、。

昨今の通り魔的な犯罪を見ると、守るべきものがない何も持たない奴が一番怖いという結論になってるけど、守るべきものがある奴の窮鼠猫を噛むような行動もやっぱりけっこう恐るべきものがあるのかもしれないよな。

まあたまにドラマでもあるよね、息子可愛さで、息子の将来のために邪魔者を排除する母親とかさ。
こないだなんて、孫可愛さに、孫の親権を奪われたくない一心で元嫁を殺害したおばあさんが実在するとテレビでやってたしな。

いやしかし、佐藤二朗!!
良かったよ。

平凡に見えて、本当に平凡な人間は存在しない。
または、平凡な人間も、ひょんなところから狂気の世界の住人になり得る。
どちらでもある。
そういう世界観を佐藤二朗が流石の存在感でうまいこと作り上げてた。



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