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徐々に死んでいく。 [生活雑感]

「火によって」「太陽の男たち」という最近読んだ2編の鬱展開小説は、どちらも死ぬまでの過程が書かれていた。

どういう人生を送ってきた男が、どういう社会的な状況に迫られて、やがてこういう行動をとるに至る。

というような話。


それでいうと「蛍の墓」とかも似てるかもしれない。

叔母さんの家を飛び出した、それが一番の死因だという分析をした上でこの作品は作られているという話を最近どこかで知って、蛍の墓リアクション動画の指摘がするどすぎてビビったアメリカ人男性、あの人の見方は本当に正しかったんだなあと改めて感心したんだが、蛍の墓で一番言いたいことは反戦とかではなくて、人は社会的な生き物であり一人ではいきていけないもの、我慢しても悔しくても人と繋がっていきていく必要があるっていうところが言いたいことだったんだってさ。



そんな中、年末、通っていた心療内科を燃やして患者や医師を巻き添えに無理心中をはかった男が、何回か生活保護を申請にいっていたが、結局申請に至ることはなかったらしいという後報を見た。

妻子と住んでいた一軒家の持ち家があって、妻子と別れたあと、その家を人に貸して、その家賃収入で暮らしていたらしいのだが、借主が2020年に出て行ってから、家賃収入が途絶え、そんなわけで誰も住まなくなり電気ガスも止まったその家に、彼は最後ひとり戻ってきて住んでいたらしいが、持ち金が途絶える寸前だったらしいと。


まあ、生活保護を申請にいったら、まずは家を売れっていう話になったが、妻子との思い出がつまった家を売り渡すことを拒否したんだろうな、というような経緯を想像する。


あとは安住紳一郎が、TBSの後輩アナウンサーの女性が10年前に自殺しました、ということを放送中に号泣しながら話したという話が、なぜか最近検索にヒットして、彼女の話も考えた。

TBSを退社する前に、TBS内で孤立して悩んで、同じように孤立していた時期がある安住アナに相談しにきたときに、俺をお前と一緒にすんなよ、って感じで突き放してしまったことを悔やんでいると。

結局、彼女は退社してフリーになるのだが、1年ほどで車の中で練炭自殺しているのが見つかったと。


また思い出されるのは、高齢引きこもりで、福祉の人と繋がって、その人が毎日様子を見にいって食料とかをあげていたのに、病院への受診を拒否したまま餓死のような形で死んでしまった男性のこと。


もちろん、徐々に悪い方向に舵がきられていってたって、そんなのはまた舵を切りなおせるんだよ。

最後の最後まで、起死回生のチャンスはある。

徐々に死んでいってたって、全然回復できるんだが、、ただ人は突然死ぬんじゃないんだ、とふと思った。

いやもちろん、事故で、本当に突然死ぬこともあるけど、たとえば癌とかの場合。


私が来月、ステージ4の癌がありますって言われたとしたら、実は私が気づかなかっただけで、徐々に私のカラダは水面下で死に向かってたってことになるし、社会的なつながりが断たれるっていうのは、一歩大きなヤバイ一歩なんだよな。


と、ふと思ったのだった。

独りで生きていくのも楽でいい、というヒロシ的な説もあるけど、それはやっぱりある程度の社会とつながりがあっての話だ。

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