黒澤明 映画「七人の侍」感想 [気になるもの]
私的には黒澤明といえば羅生門か七人の侍が代表作なイメージだけど、実際、どの作品で認められたんだろうか?と調べてみる。
wikiによると以下とのことで、ぜひ酔いどれ天使と野良犬を見なければ・・と思わせるほど、さすがの七人の侍だた。つまり、50年代にこれやってたら、そりゃあ黒澤明すごいってなるよねー、ハマるよねー、という面白さだった。
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1943年に『姿三四郎』で監督デビューした。『醉いどれ天使』(1948年)と『野良犬』(1949年)で日本映画の旗手として注目されたあと、『羅生門』(1950年)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞し、日本映画が国際的に認知されるきっかけを作った。その後『生きる』(1952年)、『七人の侍』(1954年)、『用心棒』(1961年)などが高い評価を受け、海外では黒澤作品のリメイクが作られた。
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最初のほうは、百姓が集まっている感じとかは暗く怖い感じで、なんだか・・なのだが、百姓の集団が、じさまに会いに行って、「腹すかせた侍やとうべよ」ってなった途端に、そういうことか、カッコイイーーー!!!と、一気にハマる。
まあDVD2枚組で長いし、昔の映画だからテンポがちょっと悪いような気もするので、2倍速とか1.5倍速とかで観たんだが、いや面白かった。
三船敏郎が、偽侍なんだが、存在感がさすが。
最後、ふんどし一丁に甲冑という珍妙な格好で奮闘しているのも笑える。
そして、百姓の悲哀をわーっと語らせた時が圧巻、あれはよかった。
それに本物の武士たちのうち、一人はめっちゃルパン三世の小五郎みたいな人で、めちゃ強い剣士なのだがあとは、気は優しくて力持ちみたいな感じで、あんまり武士っぽいごつごつ感がない、優し気な感じがまたいい。
それに戦が、本当に戦って感じの、生生しさがまた良かった。
本当に江戸時代はあんな感じで、やりでついたり、弓を放ったりしながら泥臭く戦ったんだろうというのが伝わってくる臨場感。
それに、ちゃんとイロコイもあったりして、ワクワクドキドキもさせ、ほろりとさせ、せつなくもさせ、でもテンポよく、エンターテインメントコンテンツとしての完成度がめちゃ高い。
ちなみに何に似てる感じかといえば、この高揚感、やっぱりタランティーノかな。
タランティーノが、直接的にか、間接的にか、黒澤明の影響を受けているんだろうけど。
それに、最後があっさりしていて余韻を残す感じがいいんだな。
7人のうち、まさか4人死んでしまって、3人しか残らないとはね。
あの存在感抜群の三船敏郎も死んでしまうし、小次郎っぽい剣士も死んでしまう。
でも、村は救われる。
ハッピーエンドといえばハッピーエンドなんだけど、哀愁も漂う感じは、先日みた天国と地獄に似てる。
あと、若い侍が純情でかわいい。
恋に、っというよりも、侍を慕って、かっこいい、あの人みたいになりたい、とか、弟子にしてください、とかいって、憧れたりするところがかわいい。
いつの時代にも、かわいい純真な若いやつというのはいたのだろう、若いって素晴らしいなと思わせられた。
というわけで、ハラハラドキドキさせる感じは天国と地獄も共通しているし、黒澤明ってエンターテインメントの人だったんだなー。
あんまりよくわかってなかった。
七人の侍は、よりその要素が強いんだろうが、ただエンタメでありつつも甘くないのがいい。
ヒーローもので、7人のうち4人死んでしまうって、ところが、大人。
しかもメソメソしない。
空っ風に吹かれて次のたびに出る的な、ブラックジャック的な感じ。
そしてあっさり死んでしまったからこそ、いんちきくさい、でも、人情に厚く、可愛らしいところもあった三船敏郎演じる偽侍の生きた姿みたいなものが印象強く残る。
年貢とか身分制度とかに苦しめられつつも、しぶとく生き抜く百姓の生命力。
立身出世を夢見て戦いに明け暮れているうちに年を取って、生き残ってさてとって感じの侍の哀愁。
しかし、「侍を雇う百姓」っていう、その発想だけで、これはもうカッコいいし面白いに決まっている感じ。
いや、よかった。
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