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西加奈子 サラバ!中編、後編まで読了しての感想。 [読書メモ]


サラバ! 中: (小学館)

サラバ! 中: (小学館)

  • 出版社/メーカー: Audible Studios
  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: Audible版





サラバ! 下: (小学館)

サラバ! 下: (小学館)

  • 出版社/メーカー: Audible Studios
  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: Audible版
サラバ! (下)

サラバ! (下)

  • 作者: 西 加奈子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/10/29
  • メディア: 単行本
ネットで読んだネタバレあらすじで得た感想で、前回は書いたけど、本当にその通りなのか確かめたくて、中下巻も借りてきて、気になる部分はじっくりと、それ以外の部分は斜め読みで読了。
やっぱりネットのあらすじは正しかった。
ネットで得たあらすじで得た感想と、実際読んでみた感想はほぼ変わらず。
気になって確かめたかった点の一つは、お父さんとお母さんが結婚にいたるまでの詳細と、別れる時、別れたあとの詳細。三角関係っぽい、Kさんという女性と、実際どういう付き合いであり、別れたあと、父はどういう付き合いをその人とたのか、という点。
あと最大のポイントは、終わり方。
エジプトでどうやってヤコブと再会し、何を語り、どうやって別れ、なんでそれが突然小説を書こう!という結論にいたって、どうやってラストを迎えたか。
でまあ父と母の三角関係はおいておこう、ちょっと夏目漱石のこころのパクリかって感じだけど、まあいいでしょう。
ラストはね、やっぱり私からすると酷かった。
あ、もう一つ気になったんは、姉貴子の見つけた軸って何だったの?というもの。
さらに、歩の軸がサラバ!ってどういうこと?ということ。
まあそれで、どちらもね、今一つよくわからなかったんだけど、「信じるものはなんだっていい、それを想えば楽になるとか緊張がとける、みたいなそんなどこにでもある些細なものでいい、猫の肛門でもいい」っていう趣旨があるから、まあいいんだと思う。
自分にとってピンとくる、揺るがないものならいいんだろう。
だけどさ、だとしても、それがサラバ!って、ちょっとなあ。
なんかこう、全編を通じて、回収されてきて、サラバ!が、軸にある小説だと思えたら、また違うんだろうけど、急にとってつけたかのようなサラバ!なんだよな。
さらに急に小説を書きたくなって、書きあらわすには自分の人生の思い出をできるだけあまさず拾わないといけない、と感じたので、生まれてからのエピソードをつぶさに拾いました、と書いているんだけど、その必要性が全然わからない。
そもそも、小説を書きたいと感じたのは、自分の中の化け物を書きたいと思ったからだというのだが、化け物の話なんて、急に最後に、化け物、化け物言い出したくらいで、なんなん突然という感じがした。
もっと象徴的に化け物って何か、というのが問われてきていたのならわかる。
だが、突然、たくさんの思いと時間をはらんだ化け物がサラバだ、といわれる。
出会った人、時間、ものすべてが化け物だと。
うーん、そこまでいっちゃうと、サラバがでかくなりすぎて、もはやサラバ=化け物=お前=じゃないか。
サラバは僕の神だ、とも言ってるので、けっきょく僕が神ですか?
まあそれはさておき、最後は、歩が、創作の惑いを吐露する感じになっていて、書かずにおられないから書いたけど、書いているうちに何が正しいかわからなくなり、最終的に正しさなんてどうでもよくなった。
いくつかはウソだし、全部ウソかも、判断は読者に任せます、何を信じるかはあなたが決めてほしい、とか言い出すわけ。
それって、よくないよ、と思う。
正しさなんてどうでもよくなった、といってもいい主人公もいるけど、こいつは、自分のすべてを洗いざらい拾って化け物の輪郭を拾いたいという動機で書き始めて、ち密にすごくどうでもいいピースまで拾い上げて書いているるんだから、そこで最後になって、ウソかも、とか言い出したら、あなたの試みはクソですか?ってなっちゃう。
でも評価高いんだもんね、この小説。


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