SSブログ

sad song for ugly daughter [芝居メモ]

クドカンサッドソングフォーアグリードーターを見てきた。 
忘れないうちに、感想を書き留めたくて落ち着ける店を下北で探す。 
というわけで、感想メモ。


私はあまり芝居を見て、面白いと思ったことも感動したこともない。 
従って芝居ファンではないので、沢山の芝居を見たことがあるわけではない。 

松尾スズキ監督の二つの映画が大好きだ。 内田有紀主演の、何だっけ?と、恋の門と。 
で、見に行った数年前の松尾スズキの芝居も正直いって、そんなに面白くなかった。 

天下の大人計画なのに。 

今回は、それ以来の演劇鑑賞だ。
そして今回もあんまり期待していなかった。 

だが、蓋をあけたらいままで見た芝居で一番面白かった。 好きになった。 
たぶん、初めて琴線が作者とあったのだろう。 
舞台にはハードロックでいうところの泣きみたいなのがあって、 そのわざとらしい泣きに、よっ成田やみたいに乗れなければ何の楽しみもなく それが醍醐味だということを、私は歌舞伎で知ったから、 初めて舞台の魅力を教えてくれたんは歌舞伎といってよい。 
そう、歌舞伎の魅力はわかるんだ。 笑えて馬鹿馬鹿しくてかっこよい。
ロッキーホラーショーみたいな。 
ロックバンドのライブみたいな。 

で、今回は宮藤官九郎の泣きポイントがわかったから、かゆくなりつつゾクゾクして、好きになったんだと思う。 
物語としての筋が通っているというより、気に入りのシーンや音楽がある ミュージックビデオのような映画が好きな私にはそういう形が入り込むのかも。 

具体的には先ず演出だよ。 
開演の瞬間と終わる瞬間がかっこよくなくちゃ。 そこだけは美学があって欲しいとこだけど、そこはちゃんとお約束的にカッコつけていてしかもかっこよくて、先ず心地好し。 

そして、二つ目に語るとしたら荒川良々の、かっこよさ。 唯一無二の存在感。 彼の存在感は素晴らしい。 自分のまわりを敵か味方か、いい人か悪い人かに無理やり別けたがる、そういうガキみてええな奴が上に立つと戦争になるんだよって言う彼の咆哮は胸がスッとした、かっこよかった。 
ガキみたいにウダウダ言ってる奴に、言いたいけどなかなかうまく表現できなくて言えないことを言ってくれたカタルシスなんだろう。 

あとは、影の主人公がヒッキーの弟だというところ。 そこがよい。 
大好きな姉を守る為に部屋を出るが、世の中は甘くない。 味方なんかいない。 
だが、また部屋にもどったらお前はまたただの気配だぞ? と言われて、踏みとどまるが、そのことで姉を失う。 
皮肉だがあくまでもご都合的に甘くないところがよく、素敵な成長物語だ。 


そして働くばかりの型にはまった男と、いい年して芸術を語り続ける働かない男。 

そして過去の自分や親を否定してきた結果の、現在の自分も肯定しきれない女。 

なんかね、深いとかではないんだけど。 
でも、年齢も性別も違うその三人?四人?の人生における葛藤というのは、リアルで 私にも身に覚えがあるんだよ、全て。 
そして、物語中で、投げっぱなしではなくて、それらに少しずつは落とし前をつけているのが好ましい。 

問題提起だけなら誰でも出来ると思ってる派なのだと思う、私は多分。 
だから、なんにつけても僕は問題提起をしただけで、あとは見る人が考えてくれればいい的なかっこつけた安全なスタンスは好まない。 
せっかく金と時間かけてお前の作品を鑑賞したんだから お前なりの落とし前をつけろと、表現者として安全圏から 出てこいよと思う派なので。 


弟は、部屋を出てみることにしたし、 父は、友達を作ってみることにした。 姉は、もう戻れないから嫌いになることにしていた自分に気づく。 
ちなみに松尾スズキ、岩松了の安定感はもちろんばっちり。 田辺誠一?は、さすがクドカン、素材を生かした絶妙な料理!って感じ。 
いえ、もちろんご本人の演技力ももちろんすごいんですけどね。 
基本悪いやつではないけど、ちょっと間抜けで、そこそこいい加減で、弱い者イジメもするという感じね。 

そして、当代きってののりにのっているラッキーガール、宮崎あおい。 気が強そう、隙がない、細い、笑顔がかわいい。 
私は隙のない宮崎あおいより、少し隙のある蒼井優派だ。 比べずともよい、と言われてしまいそうだが、私は昔からセットでずっと見てきたのだ。 
蒼井優は、どの映画を見ても惚れてしまう。 ゾクッとさせるフェロモンを出してる。 
椎名林檎の、君の腕の白さが、という歌詞を蒼井優を見ると思い出してしまう。 

だが、一方で、宮崎あおいを見ると複雑な気分になるのだ。 いつも。 だから、生で見て確かめたかった、その魅力を。 確かに寸分の隙もない。 

細い体に、恐らく宮崎あおい人気にあやかって陽の目を見たのではないかと 思われる昨今の宮崎あおいソックリ顔の子役達の顔が、乗っている。 
そんな、印象だ。 

だが、スッと立っている。 揺るぎない自信が。 その華と安定感が、この舞台を格上げしているところもあるだろう。 
誰か一人でも下手くそだったらと思うとゾッとする。 やっぱり脚本だけじゃない、役者の旨みの完成度があるんだろう。 

最後まで、眠りもせず、飽きる心配もせず、中弛みもせず、時間も忘れて見いれた。 

当日券だったけど、席はスゴくよくて、役者も間近で見れたし、私もラッキーガールでしたわ。 


 あ、市川実和子ちゃんが見に来てましたわ。 フツーに。 やっぱし顔が小さい、首が細長い。 
市川実和子といい宮崎あおいといい、一般人との大きな差はそこにある感じ。 顔はまあTVで見たままふつうにかわいい。 
けど、クラスのかわいい子って感じで、見たこともないかわいさとかいうのとは違う。 
もちろん笑顔の耀きとかね、内面からくるスター性とかは別にしてね。 だけど、顔の小ささ等のバランスが、飛び抜けているんだろな。 

さてまとめ。
こういうふうに芝居に惚れるみたいなさ、好きになっちゃう、キュンて感覚は忘れずに日常生活を送りたいわ。 
好きとか、かっこよいとか、ステキとか、かわいいとかそういう感覚。 衣食住に芸術的感性を。 
あとやっぱさ。 題名がかっこよいものは、期待できるもんさな。 サッドソングも、アグリードーターも、私は単語としてとても好きだ。 
よい感じ。 くっ付けると、如何にもな、狙ってる感じだけど、 それでも悪くない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Free xml sitemap generator