SSブログ

花さき山 [読書メモ]

花さき山 (ものがたり絵本 20)

花さき山 (ものがたり絵本 20)

  • 作者: 斎藤 隆介
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 1969/12/31
  • メディア: 新書
 
 
 
 
 
 
子供の頃、一番好きだった本について、ふと思い出した。
一番好きだったと記憶していたのは、さとうさとるのコロボックル・シリーズだ。
てのひら島はどこにある (新・名作の愛蔵版)

てのひら島はどこにある (新・名作の愛蔵版)

  • 作者: 佐藤 さとる
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本
本当に面白いし、世界観も素敵だし、大好きだった。
だが、こちらは少年小説といえよう。
小学校2年生以上くらいが対象だった記憶がある。 
 
もっと原点にさかのぼったときに、あるのは花さき山だ。
郵便不正事件で逮捕・起訴された村木厚子さんが、
拘置所生活中に読み、こころの支えになったという記事を雑誌で読んで思いだした。
 
「やさしいことを一つすると、一つ、花さき山に花が咲く」
 
あやという女の子が、自分も綺麗なおべべが欲しいのに、
自分は我慢して、妹に買ってあげて、というんだよね。
 
あと確か、双子の2歳児くらいの男の子の兄のほうが、
弟のためにおっぱいを我慢する話もあった気がする。
 
そういうやさしい行い一つにつき、花さき山に一つ、美しい花が咲くという、
とてもビジュアルイメージ的にも印象的な美しい話だった。
 
自己実現がもてはやされる今、自己犠牲は流行らない。
だけど、こういう優しさでもって、日本人は生きてきたような気がする。
 
わたしが、このくだりを書きながら、涙が出てくるのは
自分がこういう子供だったからだろう。
 
私の精神性の根っこにある本だ。
 
花さき山は実在しない。
 
多くの場合、褒められるためや、好かれるため、
評価を上げるためといったパフォーマンスではない、
本当のやさしさから出た、やさしい振舞いは、人目につかない。
 
でも、ひょんなところで、そういったやさしさを目撃した私達は感動する。
心に花が咲く。
だから、やっぱり実在してるのと同じなんだよな、と大人になった私は思う。
 

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Free xml sitemap generator