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映画版「ノルウェイの森」の感想。 [映画メモ]

今日、見てきました。

ノルウェイの森 [Blu-ray]

ノルウェイの森 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray

 

最初に言っておくと、私がこの小説を読んだのは、18歳のとき。もう16年くらい前である。

そして初めて、本というものに、衝撃を受けた。

自分にとって特別な存在。

そんな位置づけになった本の最初だ。

この本に出会わなければ、私はその後の人生でたいして本を読んでいなかっただろう。

だがこの本に出会ったので、私はこのような効能、、つまり特別な感情を沸き起こすような

本が世の中にあることを知りえたのだった。

 

さて、でもあまりに夢中になりすぎた私は、現実世界にコミットしなければと思った。

(こういうこと、今も思ってることを考えると、あんまり成長していないかもしれない・・・)

そして、終わった恋を振り切るのかのように、特別な感情を抱いたまま、ずっと封印していた。

 

さあ、だが16年の歳月が流れると、いったいどこにそんなにひきつけられたのか、

そんなの言うもがな・・・だったからこそ、今となっては、「はて」である。

だが、ノルウェイの森において、私にとって特別なキャラクターは永沢さんだったことは記憶していた。

その後の人生、永沢さん語録はよく意識にのぼったものだ。

 

さあ、そんなわけで、映画を見てみる。

トラン・アン・ユン監督の映像は、とても綺麗だった。

そして、一番よかったのは、緑だ。

透明感があるし、セリフも一番自然だし、なんといっても19歳頃の瑞々しさが実年齢が近いだけあって、

とてもよく表現されている。

最初は、緑役がこの子か・・・直子じゃないんだ・・・と、びっくりしたけど。

より緑を魅力的にしていた。

彼女がとても魅力的だからこそ、緑が悲惨になっていない。

緑は、あまり魅力がない女の子が演じたとしたら、悲惨にもなりえる役だと思う。

私は実際、小説を読んでいるときには、緑は悲惨な役回りだと思っていた。

そして直子に魅力を感じていた。

だが、映画では直子に魅力があまりない。菊池凛子っていうところで、配役を明らかに

間違えてないか??と思ったのは、私だけではないと思うが。

だって、凛子は29歳。

19~21歳の役どころにしては、瑞々しさがないのではないだろうか。

加えて顔やスタイルも、どちらかといえば骨太な印象なので、線が細いイメージだった小説での直子とギャップがある。

だが、見てみれば、凛子、思ったより健闘はしていた。

話し方もとてもか細くて、魅力的だしね。

だがどうしても、声が、そぐわない。

そぐわないから、ときにぶりっ子みたいな印象になってしまって、品格が少し落ちる。

直子には病んだ壮絶な美しさみたいな魅力があるべきだと思うのだが、

変な髪形と老けた骨太というところで、病みの悲惨さのほうを感じさせた。

そういう意味でいうと、ワタナベである松山健一は、まあフラットだ。

もともと私の中でワタナベは狂言まわしの役どころで空気みたいな語り部だったので、

そんなにイメージと違う!とかは思わなかったが、すごくいいとも思わなかった。

玉鉄の永山さんはけっこうよかったな。ゴキブリを食べるシーンとか是非やって欲しかった。

だが、ハツミさんはイマイチかな。

ハツミさんは、美人ではないけれど、とても素敵な女性という位置づけだったはずだが、

「とても素敵」ぶりが感じられない、人間はできているが凡庸なお嬢さんになってしまっていた気がする。

 

さて、ストーリーも忘れかけていたりしたので、セリフをまた聴けてよかったな。

当時、私がどこに感銘を受けたのかはすでに忘れたが、今日見て、心に刻みたくなったセリフ。

「孤独な好きな人間なんていない。無理に友達をつくらないだけさ。がっかりしたくないから。」

「あなたが私を傷つけたわけではありません。私が私を傷つけたのだと思います。」

 

あと共感できた部分としては、直子の、「以来、人との接し方がわからなくなってしまった」という話。

とても共感できる私がいる。

 

だが、今見てみると、「なんじゃあ?」と、思う部分もけっこうあった。

緑の言う、「もうずいぶん傷ついてきたから、私を傷つけるようなことはしないで欲しいの」とか。

直子の言う、「私が存在したことを覚えていて欲しいの」とか。

勝手だな~と思ってしまった私がいる。

だけど、ここまでいろいろ素直に要求してくる女の子と、ここまで自己主張をしない男の子と。

なんかいいよね、とは思った。

 

考えてみたら私も、19、20の頃は、自己主張の激しい女子だった。

この映画なみに、自分を語り、自分を受け入れるよう迫り、人とふかく会話し、交わっていたように思う。

 

ところが、大人になった今は、人づきあいの仕方がすっかりわからなくなってしまい、

対話をあきらめるようになってしまった。

理解されることもあきらめている私がいる。

悲しいことだと思った。

 

あと、本当によく人が死んで、よくセックスする話だなあ、と思った。

レイコさんの、ババスリップ、あれ、うちのお母さんよく着てたけど、お母さん以外で着ている人をはじめてみた。

 


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