僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー。 [読書メモ]
話題のこの本を読んだ。
中学生の息子の生活を母親が覗き見て書くってどんな感じよ?という部分はあった。
小学生ならともかく思春期の息子が母親に見せる表情、語る話なんて、ほんの表面的なことなのでは?という疑いはあった。
が、どうやら出木杉君のような、ものすごく素直で真面目で賢く、すくすく育っている息子君は中1から中2前半にかけてはまだまだ反抗期前のようで、学校での出来事や感じたことを素直にお母さんに話すんだな。
そうなってくると、あまり裕福ではないエリアの公立中学校なんていうのは、かなりそのエリアの本質的な社会問題を包括していて、その社会を知る上でのとても面白い題材になるだろうなあ。
いちおうはこどもの話だから、大人の社会を語るほどは生生しくなはいし、または本質的であったりもするし。
という感じで、イギリス版「君たちはどう生きるか」という感じでした。
10代の子たちにもとてもおすすめの本だなと思った。
中学校で起きたことを、息子とお母さんとの対話で語る、というところも多いので、どう処するべきだったのか、に対する「解釈」とか「解答」もあるわけです。
そこがわかりやすい気がする。
多様性の難しさ、差別問題、性教育、アジア人であること・・ 日本とはまた違う事情もある。
だが、本質はそんなに変わらない。
ひとつ、大きく解が出ている部分とすれば、差別問題への処し方だろう。
差別主義者は、まず無知であるからだ、と捉えれば、こちらから正しく接していくことで、
見解を改める可能性がある、そういう見込みをもって、まずは接していこうという部分。
ただし、ただ単に「自分より下のもの、弱いもの」として、うっぷんを晴らす対象にしてくる輩に対しては
目をそらし相手にしないというのも一つの手段であるという部分。
現在は、スマホカメラで動画を撮って、SNSにあげて晒上げることで、差別に勝つという方法もある。
闘え!
そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。
現実問題といては、売られた喧嘩を買えるのは、自分に勝てる勝算があるときだけで、むざむざボコボコにされにいってられないというのも、イギリスのストリートの身の処し方だと言われればそうなんだろう。
しかし色々暗部のあるイギリスにも、頑張っている学校の先生というのはいて、ソーシャルワーカーさながらに、生徒の家庭状況に目を配って、時には食べ物を買い与えたり、問題を抱えた子と校庭で遊んだり。
どこの世界にも、頑張ってる人はいるもんだね、と思ったし、白人だらけの公立中学校で、見た目完全アジアンなハーフの子どもが生活するのは大変そうだけど、案ずるよりも産むが安しで、なんだかんだたくましく楽しくすくすく生活してる様は、なんかいいね。
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