黒人のイケメン。 [旅行メモ]
今年に入って、黒人のイケメンとよく晩ご飯を食べている。
何故だろう?
どういうことだ?
思うにひとつは、フィリピン滞在が長かったゆえ、私の美的感覚がフィリピン人中心となり、フィリピン人の浅黒い肌=カッコいい!となったことから私の守備範囲が広がって、今まで視界に入っていなかったのが、急に黒人をカッコイイ!と認識し出した可能性が高い。
もしくは、アジア旅行している黒人は、本当にイケメンが多いのかもしれない。
大体がNYとかパリとかから来てるのでオシャレだし。
それか、黒人の守備範囲にアジア人が入っているから、白人のイケメンは声をかけないアジアな私にも、黒人のイケメンは声をかけてくるのかもしれない。
どの要素が強くてこういうことになってるのか解らないが、とにかく最近やたらカッコいい!とドキドキしてしまうくらい端正なブラックと話す機会が多い。
先日も安宿の屋上でボヘッとしている時に、そこにいたイケメンとご飯を食べながらダベっていた。
彼は本当に社交的な気がいい奴であった。
当然、彼もここの住人かと思いきや、なんと5つ★ホテルに泊まっていて、ここにはムエタイジムで会った友達にくっついて遊びに来ただけだという。
まあ確かに、アメリカやフランスの物価を考えたら、この国で5つ星ホテルに1泊や2泊するのはそんなに難しいことじゃない。
私は長丁場なので出来る限り安く泊まりたいけど、このワイワイがやがやしたノイジーなドミトリーにどれだけ耐えられるかなー・・と言っていたら、 彼が「今日もシングルをとったら、来る?自分も一人じゃさみしいし。」と言ってきた。。。
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なんとも複雑な気分になった。
純粋な善意ととれなくもない。
でも男女だ。
だけど、年齢はたぶん10くらい私のほうが年上だ。(彼は気付いてないだろうが)。
5つ星ホテルには泊まりたい。しかも無料で泊まりたい。
しかも相手はスウィートで感じのよいイケメンだ。
でも、そんなんで食らいつくなんて、金目当てで、アメリカンやヨーロピアンに食いつくアジア女性そのまんまじゃないか。
ていうか、私はアジアンだけども、金銭的にそういう立場にないはずの日本人だ。
ていうか、むしろ年齢から言ったら、金を出すほう?
私のアジア人としてのプライド、日本人としてのプライド、女性としてのプライド、年上としてのプライド、なんだか色々なもの、むむむむむむむ・・・と言った。
まあもちろん、いくら感じのよい人でも、初対面の人にほいほい着いていくのは得策ではない。
とはいえ、これくらいは旅の醍醐味か?いい子ちゃんすぎるか?
ていうかホテル代だけで女子を連れ込もうとしているとすると、実は、ものすごく安い提案をされているのだろうか?
ていうか、女子じゃなくて実態はほぼおばさんなんですけど?
だから友達として?
でも、それならムエタイジムで会って、この安宿に泊まっている男の友達を優先的に連れてきゃいいしね。。
もう、何が何だかである。
その時に、この複雑な気分や葛藤を表現したり、彼の真意を探ったりせずに「maybe」と言ってしまったのは、私の性格の弱さだと思う。
結局、そのあと、なんとなく彼を警戒し始めた私は、スペイン人たちとスペイン語で話し込んでいる彼をおいて、自分のベッド(2段ベッドの上)に戻っていると、誰かが私の足首をちょんちょんと触る。
私の動きを目の端で追っていたらしい彼がやってきていた。
んで「もう行きたい?」と聞いてくる。
「今日はでももう疲れてるから動きたくない」と言うと、「わかった」とすんなりと帰って行った。
その後も彼は、社交場で一通り社交して、帰る時はまた、足首をちょんちょんとやって、「帰るね!」と挨拶に来た。
笑顔で屈託なく別れた。
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この経験を通じて私は色々感じた。
まず一つは、私が男子だったらな、と思う。
私が男子だったら、絶対5つ星ホテルに泊まりに行って、友情を深めただろう。
性別なんて関係ないっていいたいところだけど、こういうシーンでは、やっぱり関係あるのである。
もう一つは、貧乏はさもしく情けない気持ちにさせられる、ということだ。
お金なんてなくたっていい!と思っても、宿なんかは本当にシビアな問題だ。
それなりにキツい出費をしないと、さもしい感じの宿に泊まることになる。
そして女一人で緊張感を持って滞在していれば、そして重い荷物を背負ってえっちらおっちら公共交通機関で移動していればなおさら、「タクシーで5つ★ホテルまでエスコート。お金は心配いらないよ。荷物も持つよ。」ってのが、すごい甘い蜜に思える。
もちろんこういうのは普通、経済的には上だけど、魅力には劣る、10も上のおっさんから提案されがちなので、「いえいえ、とはいっても結構です」ってなるんだけど、今回、相手はすごい年下のイケメンである。
でも所詮、経済格差にモノを言わせているのがちょっと腹が立つ。
でも砂被りのシンデレラと王子様みたいに思える気持ちがわからなくない。
ああ、ヨーロピアンやアメリカンがこうやって、金にモノを言わせていともやすやすと東南アジアの女性をものにしているのかと思うと何だか腹が立つ。
さて、しかし彼は本当に容姿もモデル並みに美しく、性格も可愛らしかったので、足首のちょんちょんも、キモくなくて、可愛く思えたのである。
というわけで、ちょっとほっこりもさせられたのであった。
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