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透明なゆりかご [読書メモ]


透明なゆりかご コミック 1-6巻セット

透明なゆりかご コミック 1-6巻セット

  • 作者: 沖田×華
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/13
  • メディア: コミック


産婦人科で、中絶処理された胎児を処理するアルバイトを、看護学生・・といっても高校生でしていたという稀有な経験を持つ作者。


その経験を漫画にしたもので、知らない社会の実情を教えてくれるものすごくためになる漫画。


これ、よく漫画サイトの宣伝で出ていて、ショッキングなので、ずっと気になってた。

けど、怖いもの見たさの逆で、なんかおぞましすぎるというか、怖くてずっと読めなかったけど興味はあった。


それが、ひょんなことから読むことになりましたさ。

おそらく1巻無料キャンペーンみたいなのがきっかけだと思うけどw


で、たしかにショッキングなんだけど、けっして偽悪的でもなく、かといってぬるい感じもなく、すごくよくかけている。

題材がもちろんこの上とないネタの宝庫であるというのもあるんだけど、描き方にもとても好感が持てました。


そりゃあ出産にしろ中絶にしろ、そこには人生とか家族とか生命とか、そういうものがかかってるわけだから色々ドラマがあるだろうなあ、というのは誰にでも想像できるとは思うけど、やっぱり現実は小説より奇なりというか、本当にほんとうにいろいろあるんだなあと知ることができる。


しかし女性は本当に、自分の身に起きることとして想像できる範囲でも、きっと男性は想像できない人も多いのだろうから、中学校の学級図書にしてほしいね、と思ったよ。

まあ中学生にヘビーすぎるとしても、せめて高校生には読んでもらいたいね。


さてしかし、確かにヘビーではあるんだけど、ちゃんと救いのある描き方なのがいいなと思います。


しかしこの沖田×華先生。

この作品では、純粋な高校生という一面のみをキャラクターに投影していて、それはごちゃごちゃしなくてとてもいいと思うのですが、実はほかの作品とかみるにつけ、かなりの濃いいキャラクター。濃すぎるほどのネタの宝庫。



全身整形しまくり、元看護師であるだけでなく、元風俗嬢、そして発達障害なだけでなく、元レズビアンのバイセクシャルだと?


なんか濃すぎる彼女は、もちろんマツコのアウトデラックスにも出演したことがあり。

その時は、整形の話だけでおなかいっぱい状態で、それ以上の話は出なかったけどね、、。


まあでも発達障害、というところが根っこなのかしらね?

そこから、社会通念的なものがブロックにならずに、思いついたことはなんの抵抗や逡巡もなく、割となんでも行動にうつすキャラクターになるのだろうか。

そう思うと、全身整形というのと、性に奔放で何でもこい、というのは、方向性てきにはおなじなのかもしれない。。。


まあとにかく、産むにしろ、産まないにしろ、女性にしろ、男性にしろ、マストで読むべしって感じの話でした。

そして、育てられないのに無責任産んでしまうのはたしかに問題ではあるんだけど、とはいえやっぱりそれを理由に中絶しても、すごく心と体に傷は残る。


産んでもすごくしんどいけど、産まなくてもしんどい。

だったら産んでみたら。

意外となんとかなるかもしれない。

養子縁組とかもあるわけだし、殺してしまったりネグレクトしたり虐待したり、、そういう暗い可能性があるだけでなく、それでも幸せに生きられる可能性もあるわけだから。


というのを感じられました。

もちろん、産んでなんとかなる可能性がある場合だけどね。


産んでなんとかなりそうかは、母親にしかわからなかったりする。

中絶を反対された結果、おなかの子もろとも自殺を図ったりするケースもあるわけだし、

母親は、プレッシャーなく、どちらかを選択できるべきだ。



さて、しかしふーん、と思ったのは、別に子供なんて特に興味ない、欲しくないと思っていても、

子を宿してみると「産みたい」と思えてくる女性がけっこう多そうだ。


母性は自然に出てくるもの・・とも言い切れず、そうでもない人もいるみたいだけど、とはいえ本能的に母性がわいてくる人もかなり多くいるようで、それは生命の神秘だなと思った。


私たちはいったい何を目的に繁殖してるんだろうか。


まあそれって、わたしは何のために生きてるのだろうか、何で生きてるんだろうか、にもつながるけど。


たぶん難しいことじゃなくて、本能にしたがって、おなかがすいたから食おうとか、眠いから寝ようとか、寒いところはいやだから暖をとろうとか、、、そういう三大欲求的なものに従っていさえすれば、自然に生きながらえて、自然に繁殖することができるんだろうけど。。


だから生きることと、食べることと、繁殖することは、そんなに違いがないんだろうな。

そして生きようとするもの、繁殖しようとするもの、それを生物というんだろうからさ。


なぜなら、お前が生物だからだよって話なんだろう。



しかし不思議だナー。

私はたしかに生物なんだけど、もしかしたら繁殖しないで一生を終えるかもしれない。


そう思うと、生物として矛盾した存在だ。


確かにライオンみたいに、自分の遺伝子を残せるオスは群れの長だけ、みたいな厳しい自然淘汰があるから

別に誰しもが遺伝子を残すというわけではないのかもしれないけど。

だとしても、少なくとも動物界を見る限り、オス同士は争ったりしてみんな遺伝子を残そうと必死になるはずなのに、なぜ私はこう、のうのうとしているのだろうか。


不思議だ。



まあでも、頭で物を考えるからなんだろうな。

よりよく生きようとした判断の連続の結果がこれなわけで。


私が本当に何にも考えず、刹那の欲望のみに従って生きていたら、とうの昔に繁殖してたに違いない。

いやどうだろう?

自分に不利な繁殖はしまい、というのもまた女性にインプットされた本能だ。

知恵というより、本能だと思う。


だけど結局、不利な繁殖でも、繁殖する。

そして生物だから繁殖するのが目的だ、といっても、やっぱり不利な繁殖はこの期に及んでもしたくない。

まあそうだよな、不利な生殖は母体の生命にとっても危険だから、、不利な賭けには出ないんだろうな、本能も。


なるほどね!



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