ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」全話一挙放送を見て。 [メディアまわり]
いやあ、日本のテレビドラマは本当に隅に置けないねえ。
すごくいいものを見せてもらった。
本当によく出来ていた。
現代日本社会をよく描けてるよねえ。
それでいて、とても可愛らしくてヒューマンないい話。
特に私もかなりのプロの独身なので、感情移入しながら見ることができたし、それだけじゃなくて結構勉強になるというか、啓蒙してくれるんだよね。
ホントーに、いろんな人に見て欲しいドラマ。
色々な立場の人のことをすごくよく描けているし、どれもかなり心に響いた。
例えば一見私には関係なさそうな、旦那に浮気されてそれが許せずに離婚してシングルマザーになる主人公の友達のエピソード。
私、心が狭いのかな?
子供の為に離婚せずに頑張るべきなのかな?
私が悪いのかな?
家事と子育て、一生懸命がんばってたつもりだったけど、何か間違ってたのかな?
という彼女の独白に、いやあ、きっと世の中の「旦那に浮気されて子供がいるけど離婚を選んだ妻」は同じような気持ちを一度は抱えたに違いない、と思った。
浮気されるのは、妻のほうにも問題がある、とかいう話を耳に挟むこともあるけれど。
そうなんだろうか?
とかね。
あとは、みくりの「私のことを家事労働者としてタダで使えるから結婚がしたいってことですか?」とか、
「仕事だから完璧に家事をこなすことができたけど、仕事として対価をもらうわけじゃないんだから今はもう完璧にはできない」とか、「専業主婦って、つまり最低限の生活の保障のために家事労働をする=最低保障賃金で働くことに似てる。しかも雇用主が旦那で、閉じられた世界で保障もない。割りに合わない」とか。
なんか、結婚というものに対してモヤモヤとした割り切れなさを感じていた、、そのもやもやの理由をしっかりと言語化してくれる。
実際には現代のおとぎ話という側面もある。
平匡さんみたいに、あんなに女性のいうことを真剣に受け止めてくれる男性というのはそうそういない。
だからみくりさんが最後に本当に感動するわけだけど、本当になかなか稀有で、多くは「小賢しい」として嫌われる。
小賢しい、といって振られるなら、まだその反応はまだ素直な方で、もっと理屈っぽい男性が相手だったら、もっと意地悪な反応をされることと思う。
ヒステリック女扱いをして、全く耳を貸さずに無視をしたり、「はいはい」と聞き流した上で平然と気持ちを踏みにじる行動をして、相手に無力感を植え付ける作戦にでるはずだ。
というわけで、このドラマの平匡さんは、冬ソナのヨン様くらいに(冬ソナは見てないけど)、女性たちの理想の王子様キャラクターだと思う。
やっぱりなんだかんだいって、女性は優しい男性が好きである。
優しいといっても、わがままを聞いてくれる、ということではなく、きちんと女性を一人の人間としてその言動を尊重してくれる男性、ということだけど。
いい話でした。
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