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シティオブゴッドとスラムドッグミリオネア。 [映画メモ]






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Netflix解約前の最後の夜は、スラム街映画の二本立てナイト。


月額650円で契約してるつもりだったけど、気づいたら契約形態を間違えていて!?(それとも何らかの陰謀か?)


月額1450円のプランを契約したことになっていて、、、月々無駄に1450円も払っていた。


月額650円のプランだったら、まあ月に映画を3本も見ればある程度もともとれるし、いいんじゃないかという気もするけど、やっぱりあまり映画を見る習慣がないので、やめておこう。


でもたまに見ると、強い衝撃を受けますね。


先日見たchewing gumというイギリスのテレビドラマにしても、whitegirlにしても然りだったのですが、今回はもっと強い。


まずスラムドッグミリオネア。


もう10年ほど前ですよね。とても評価が高くて私の周囲でも話題になっており、これは見ておこうと思いながら、ついに10年も経ってしまった。


インド映画は見たことないけど、インド映画といえばみんなで踊るんでしょ!?という感じだったのだが、別にインドを感じさせないよくできたエンターテイメント作品だったなあ、、と思ったら、そうか舞台がインドなだけでイギリス製作のイギリス映画で、監督もトレインスポッティングやザ・ビーチと同じ人、イギリス人、ダニー・ボイルとな。


なるほど、、他にどういう映画を撮っているのかを知ると、この監督の傾向が見えてきますね。


映画中の映画!みたいな、スリリングでスペクタクルでエンターテイメント・・・みたいな、いわゆるワクワクドキドキさせる映画をとる人なんですね。


なるほどなあ、インド人が撮ったインド映画じゃないとなると、インドに対する描写が正しいかはわからないので、鵜呑みにするのは危険だけど、原作はインド人外交官なので、その辺のバランスがどう出てるかだな。


それは置いといて、映画としてすごくキラキラしてるのは、まずムンバイのスラムの様子。


フォトジェニックなので、映画撮影されたら本当に圧巻だし、そこで全身をフルに使って躍動する子役たちの輝かしいこと。


考えてみたら、親を亡くして二人きりで生き抜く幼い兄弟みたいなのって、割と私の琴線に触れるかも。


しかし主人公は主人公らしく、悪賢く立ち回るところもあるけど、生き抜くための知恵と勇気という感じでまっすぐな性格なのだが、主人公の兄はさらに悪賢いというか、ちょっと邪悪なところもある。


が、よくいる弟をいじめたりからかって遊ぶ男兄弟の兄的な感じといえなくもない。


兄のそういう横暴さ、邪悪さにいつも振り回されながらも、それでも頼もしいところもあり、寄り添って生きていく二人。


このあたりはリアリティがあるなと思う。


それからマフィアが拾ってきたストリートチルドレンで形成される物乞い集団ね・・これもそんな感じなんだろうなとリアリティがあった。


ゾッとした。


映画は、スラム街出身の教育をほぼ全く受けていない若者がなんでクイズ番組の答えがわかったのか?というのを一問一問、彼の人生経験と照らし合わせていく形で進行する。


ヒンズー教徒によるイスラム教徒の虐殺によって、母親を殺され、スラム街にあった家を焼き払われ、ゴミの山でゴミを漁りながら生活しているところ、マフィアに拾われ、物乞いを強要される生活、、それでも食事と寝床が与えられ孤児院のように安穏に暮らしているかのように見えて、、、不具にすることでさらに稼ぎがよくなるということで、歌がうまい子どもが目を潰される現実を目の当たりにし、そこを逃げ出す。


その後は、観光地で観光客の財布や靴を盗んで売ったり、観光ガイドをしたりして働き、、ハイティーンになって正規に雇ってもらえるような年になると、レストランやコールセンターなどでちゃんと働き出す。


一方、兄の方はギャングに加わる。。。

スラムで孤児として生きる子供達が、辿りうる人生の表と裏。


先進国で安穏と育った人にとってみたら、ひとつ一つがものすごい経験なのだが、それをさらっと流れるように挿入していく手口がいいなと思いました。


さらっと提示されていくことで、より印象深く、色々な思いがこみ上げる。


それには子役たちの魅力もあると思う。


そして最後には、すっかり都会になったムンバイも登場し、、色々な歴史、歪みを抱えながらここまで発展したインド、、、みたいな「これがインドだ!」って感じの作品にもなってるような気がする。


子どもが庇護の対象で、遊んで甘えていればいい、、っていう世界ではなくて、5歳、6歳ですでに働いて戦って考えて生きていかないといけない世界。


なんかカツが入りますね。


さて次、シティオブゴッド。ブラジル、リオデジャネイロのスラム街のギャングの話。


すごいね、これ何?カルト映画?っていう感じの、人を躊躇なく殺しまくる映画。


で、こんなの初めて見た・・というのが「幼い子どもが銃で人を殺しまくる」というところ。


しかも愉快に。遊びのように。


そしてそんな凶悪な子どもを大人も容赦しないで、撃つし殺すし、、。

そして逆に銃を与えられた子どもたちに大人が簡単に殺されることもある。


ようは大人も子どももないのである。

人の命が虫けらのように軽い。


実話を基にしているということだけど、、まあ当たらずも遠からずなんだろうな。


一番強烈なシーンは、子どもギャング集団を追い詰めたギャングが、「三匹捕まえた!」って感じで、10人くらいのうち逃げ遅れた3人を確保。


年齢は、7、8歳の子2人と、12歳くらいの子1人。


で、そのうち二人に、手か足どっちか撃つから、どっちか選べと言うと、二人は手を選ぶんだけど、「そうか、手な」って笑いながら、足に撃ち込む。


さすがに泣き出す二人を前に、さらに残りの一人に、「おいどっちか一人殺せ」と言って、実際に一人を撃ち殺させる。


生き残った一人が、泣きながら、打たれた足を引きずって逃げていく。


すごい描写。


でもなんかさ、ファッショナブルなんだよな、この映画。

映画のテンポや語り口なんかも、凄惨な暴力を扱ってるのに、どこかユーモラスでサクサク進むから見ていて小気味好い。

そして新鮮。


あとブラジルってこういうところなのかもしれないけど、人種がすごく混ざっていて、白人から黒人までがグラデーションのようになっていて、それだけに完全に人種差別的なものがないように感じられる。


アメリカ映画に見られるような白人と黒人の優劣意識みたいなものや、両者の交流を描いた時のわざとらしさみたいなものが全くない。


この映画でも街の支配者は、黒人だったり白人だったりするし、そのギャング団の構成員たちも人種によるどうこうっていうのは全くない。


それはなんか見ていて気持ちよかったな。


まあでもさ、なんで混血が進んだのかといえば、植民地支配していた白人が妻帯して来ずに現地の女性に手をつけたからという話で、、、それもねって感じなんだけど、人種差別がなくなれば混血が進むのはナチュラルなので、そういう人種がナチュラルにミックスしまくったギャング団の立ち姿みたいなものもなんか新鮮だった。


まあブラジルの場合は、差別がないから混血が進んだんじゃなくて、混血が進んだから差別がないという話なんだろうけど。


そしてその人種差別がないというのも、アメリカのようなわかりやすい有色人種差別、白人至上主義がないというだけで、他の人種に対する偏見や差別はあるだろうし、、もしかしたらスラム街と他ではまた違うのかもしれない。


なんて思いました。


ちなみにあとで他の人の映画の感想を読んでいたら、タランティーノとかクドカンとかっぽさがあると書いてあって、確かになと思った。


さらっと小気味好く進むテンポと、どこかユーモアがあってクールなところ。


実は私、結構飛ばしながら見ていて、最初の方とか見てないのよね、よく。

もう一回しっかり細部まで見たいなーと思った。


さてスラム映画まとめ。


なんというか、ルールが全然違う世界だよね。

これも人間社会なんだけど、もっと「野生の人間を見てる」っていう感じ。

生き残るために、知恵と肉体をフルに使って生きる人々の躍動感。


だからなんかこう、スポーツを見てるような感じで、アドレナリンが出るし、清々しさみたいなものを感じるんだよね。

人間も動物だからさ。

良くも悪くも。


弱肉強食がルールとなっている世界で、もっと動物の側面を使って生きている人たち、、なんかそれはそれって感じで、ただマイナスにも捉えられないんだよな。


実際、東南アジアに住んでいて、インドやブラジルのスラム街みたいな世界的に見ても結構ものすごいとされるような世界ではないにしろ、やはり下層社会の人の感覚には「殺しや盗みが日常的」はないにしても「どこかその日暮らし」な感覚はあって、花火のように生きてるのを見ると、野生動物みたいだなと思うことがある。


涼しくて気持ち良い場所を見つけたら丸まって寝て、美味しいものが食べられたらハッピーで、、野生動物とまでは言わないけど、野良犬か、放し飼いの飼い犬かってくらいの自由さを感じさせる人はいっぱいいる。


で、完全室内犬育ち、みたいな文明社会で育った私からして、彼らがどう映るかというと、それはそれでいいなと思うのである。

もちろん文明社会的な目線で見たら、とんでもなく悲惨ということになるんだけど、別に人間も動物じゃんと思うと、動物的に生きることが果たして不幸なのかよくわからなくなることがある。

それは東南アジアにきてからよく思う。

動物的に生きて、幸せに早死にしていくような人を、頭から否定することはできない。


人間も野良犬を飼って飼い犬にして一緒に暮らせるように、そこに相互の愛も愛着も生まれるし、一緒に暮らすこともできる。

野生のライオンをかっこいいと感じるのと一緒で、かっこいい、素敵、とすら感じる時がある。

やっぱり人間は動物だからだろうか、動物的、野生的で強い存在をかっこいいと慕う心があるんだよね。


とはいえ、全く同じ暮らしをできるかといったらそうではない。

犬に人間のルールや暮らしを強要することができないように、犬には犬の幸せがあって、犬は人間ではない。


こういう言い方をすると、人を犬呼ばわりしているみたいでまるで人種差別みたいだけど、そういうことじゃないんだよね。

通じあうものももちろんあるけど、ただルールが全然違う社会で生きている人に、突然例えば日本のルールを強要しようとしたらまず無理だろうと思うという感じ。


ただもちろん彼らは犬ではなくて人間なんだけど、、でも犬がなんとなく人間のルールを理解して、嫌なことはしないよ、だって一緒に居たいから・・・って感じで寄り添ってくれるのと一緒で、共存はできると思うけど、結局人間同士だってそういうレベルの理解になるんじゃないのかな。


男女がお互いの機能的な違いから、時にその心理をそのレベルでしか分かり合えないのと一緒で。


まあもちろん、それでも人間はただの動物ではなくて、文明があって理性がある動物なんだから、私は動物的に生きるよりは、理性的に生きたいとは思うけどさ。


でもバランスなんだよね。

あんまり理性だけに生きようとすると、我慢が祟って病気になったりするみたいだし。


そんなことを考えました。


あとスラムでは、「子どもだから」が通用しない。

それは子どもから教育の機会を奪っているという意味でも酷なことだけど、逆にいえば子どもでもできるんだよね、労働も商売も。

それはつまり、大人である私なんか、もっともっと年齢を理由にしてる場合じゃないなと思った。

まだまだ色々とできる。






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