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20世紀少年(映画) エンドロール後のストーリー。 [映画メモ]

やっと見る。

今までは、あのお面といいマークといい、怖いので見てなかった。

20世紀少年(ビッグコミックス)全22巻+21世紀少年 上・下

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  • 作者: 浦沢 直樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/12/08
  • メディア: コミック
20世紀少年 DVDセット (本編DVD3枚組)※初回生産限定

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  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD






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あのマンガの原作者、浦沢直樹か、そんなに興味なかったし。

でも見始めたら面白いので、いっきに3部作見てしまった。

でも、正直子供だましなお話?と、エンディングロールが流れるところまでは思っていた。 

キャストは豪華で色々な人が出ていたので、エンドロールのキャスティングはじっくりと見た。

あれ?神木隆之介なんか出てたっけ??

まあでも子役のうちの一人としてどっかで出てたのかしら・・・と流した。 

そして、エンドロールが流れているのに、まだだいぶ残り時間があるので何だろうと思った。

そしたらそこから物語の核心部分が始まった。

そしてそこに、神木隆之介がやっと出てきたのだった。

そしてその最後の10分程度こそが、この映画の真髄だとすると、とてもいい話だった。

 

きっと世の中に横行する話。

要領の良い、強いものが、一抹の罪悪感を感じながらも、有利なポジションをとってしまう。

そして要領の悪い、弱いものが、不利なポジションにおしやられる。

 

私の好きな「屁」という新見南吉の少年小説にも同じ題材のものがある。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/3040_47823.html 

「屁」をしたのは自分(春吉)なのだが、ほかの少年のせいにされてしまう。

だがもちろん自分は言い出す事はなく、罪悪感を抱く。

だが最終的には「自己嫌悪じこけんおの情がわく。だが、それは強くない、心のどこかで、こういう種類のことが、人の生きていくためには、肯定こうていされるのだと、春吉君には思えるのであった。

 

そうだろうか。ものを言わないものに濡れ衣を押し付けて行くことは、やっぱり卑怯で、許されないことだと思う。

でもそう言いながら、程度の差こそあれ、私だって自己欺瞞を行っている。

例えば、世の中に餓えで苦しんでいる人がいるという知識があるのに、私財を全て擲って彼らを助けようとなんてしていない。

機会があれば募金くらいはするけど、どこかで我が事と線引きをしている。

それだって、根本的には同じ事だろう。自分だって、まわりまわって詐取に加担してるかもしれないのに。

 

でもこの映画で出てくるエピソードはもっと罪が重い。

屁どころか自分の犯した万引きが人のせいになったのに、名乗り出ず、冤罪を追った少年が、

それがキッカケにいじめにあうようになって、登校拒否になっても見て見ぬふり。

彼がリーダー的な存在であり、その少年を庇うだけの影響力を持っているにも関わらずだ。

さらに酷いことに、いつの間にか登校拒否の少年は同級生の間で死んだ事にされ、実際に成人後の記憶では死んだことになっていた。 

 

だが、彼にそれほどの悪気があったわけではない。

自分の都合が良いように、自分の都合の悪い事は忘れてしまったのだろう。

 

だから「20世紀少年」は、なかなか誠実だと思う。「屁」と同じように。

というのは、エンドロールが、「ケンジ=ヒーロー」で終わっていることだ。

世の中は多分、こうなる。実際はケンジが蒔いた種なのだけど、本人は忘れ、周りは知らず、ただケンジはヒーローとして認知される。だから、エンドロールがこうなのは、ある意味リアルだと思う。

だけど、エンドロールの後に、その裏に隠された話をちゃんと拾いに行ったから、薄っぺらかった映画に厚みが出た。

もちろん現実だったら、大抵の場合、人々は自分が昔感じた罪悪感を思い出しもしないのかもしれないし、思い出したとしても、謝ることまでしないかもしれない。

  

あとこのラスト10分で良かったのは、友達がいない少年への、友達が欲しいなら素顔をさらして話しかける勇気を持て、というメッセージ。

そして、友達を切望してモンスターになってしまった「友達」が、友達を作ることに成功するイメージでラストを迎えるのだった。

その読後感?はとてもよかった。

 

ただ全体を通すと、ぴんとこない点も多かった。

音楽で世界を変えられるか?というありがちな問いが出てくる。でも中途半端だった。下手に絡ませないほうが良かったんじゃないかと思う。 

お面に関しても微妙だった。お面をかぶってなくちゃならなかった理由にいまいち説得力が感じられない。世界支配に奇術と併用して、その匿名性をカリスマ性を高めるのに利用したというのはわからなくはないけど・・・「友達」は、それ以上にもっとお面に固執してる。別にお面に何の興味も持っていないケンジにアピールするために「ケンジくん、遊びましょ」とお面を被って行った理由はいったいなんなのか。遊び心だけだったとしたら、弱すぎる。

そして「友達」のケンジへの異常な執着。山根だってサダキヨだってヨシツネだって、もう少し友達になれそうな関係だった人は居たのに、キリコに子どもを産ませることにも成功したんだから、何もケンジにそこまで執着しなくてもよくないか?

以上、ピンとこない点でした。まあ、他にもカンナが神の子として祭り上げられてた割にはたいした役割を担っていなかったこととか、8月20日に「友達」がやろうとしていることが大体解っていて、倒せる武器まで用意してあるのに、大殺戮されてるのとか・・・「必殺技があるならここまで被害が出る前に使えばいいのに」という少年マンガにありがちな展開だけど、まあそういう納得いかない点を上げればキリがないのでした。 

 


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