山口絵理子「自分思考」 [読書メモ]
- 作者: 山口 絵理子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
正直最初は半信半疑。
本当にそんなにステキな人なのだろうかと。
だけどすぐに、こいつは本物だと感じた。
すごく正直な人だ。
タレント本じゃない。
タレント本みたいに、自分をステキに見せようという意図が感じられない。
涙と鼻水でぐっちょぐちょになりながら、懸命に生きている。
なんでそこまで懸命なのかは、不器用すぎて加減がわからないから。
そんな印象すら受ける。
でも彼女はけっしてバカではなく、行動だけで考えない人でもない。
すごく考えるし、言葉もえらぶし、そして行動もして、手も汚す。
そして傷ついて、泣いて、自信をなくして、おびえたり、コンプレックスを抱いたりもする。
実際お会いしたら、キラキラしてポジティブなすごくステキなつよい人なのだろう。
だけど、彼女はこの本で、そんなふうに自分を見せようとしていないから、
全然かっこよくもないし、スマートでもない。
だけどまた、波乱万丈な人生を赤裸々ぶっちゃけっていう演出意図も感じられない。
すごくすごく正直に誠実に書いているのが同世代の女性としてはわかる気がするのだ。
だから彼女は、生き方上手を自認し、それを伝授しようとする
女性たちより、よっぽど魅力的だ。
迷ったら、傷ついたら、この本を読もう。
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夢を心にいだき、夢見た世界に一歩踏み出すこと。
拒絶されたら思えばいい。ここには自分の役割はなかったのだ、他にあるのだと。
失敗したら思えばいい。じゃあ違う方法を試せばいい。
失敗は継続をやめた時点で生まれるもの。
失敗の数に裏付けられた成功は、ただのラッキーではないぶん、強い。
自分をクレイジーにさせる雲を見つけて、それを追う。
そしていつ雲を見つけてもつかめるように、常に上を向いてリラックスしていよう。
大事なのは、本能的に、直感的に、感じた気持ち。
主観での決定が覚悟を生み、苦しくてもふんばる力を生む。
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他人の評価を気にしていたり、先人の知恵を鵜呑みにしていたら、0を1にする人間にはなれない。
当たり前のことだけど、ハッとした。
どうせ生きるなら、守りに入って生きるより、0を1にするような夢を見ながら攻めて生きるほうがずっと楽しい。
守ったって、永遠のものなんてないんだから。
攻めながら、思った方向に変化していくことを楽しもう。
私はまだ、自分のこと信じてるんだな。
これを読んで、それがわかった。
他人の評価を基点に考えれば、自信なんて全然ないし、自分が正しいのかなんてよくわからん。
どう生きていくのが正しいのかなんて、さっぱりわからない。
そしてそんな私なんて、最下層級に超ダメなやつだ。
他人とか世間とかは、さっぱり実態がつかめない。
でも、自分を基点に考えれば、そう確かに私は自分を信じてる。
私という個人からすれば、私はなかなかクールだし、勇敢だし、鋭敏だし、正直だし、善良でやさしくて寛大ないいやつだ。
そうだった。
そして、そういうふうに思えている私は、世の中を0.0001mmくらいは変えられる力をもてる。
そういうことに気付かせてくれたのだった。
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