ポニョって男女の恋愛モノだったのか! [映画メモ]
やっと見た。
竹熊健太郎氏の映画評を読んで、見たいと思っていたのだが。
けっこう言われていたような、なんじゃこりゃ、という不条理とか、残酷さというのは感じず、シンプルなストーリーとして意外と自然に受け止めてしまったよ。
確かに、結局何が言いたかったんだろう、何だろう、何だろう、と考えさせられる部分はあるが。。
でも、私が真っ先に思ったのは、宮崎駿が初めて挑戦した「正統派ラブストーリー」てなことだった。
男女の愛をテーマに正面からあつかったジブリ作品は新境地じゃないだろうか。
なんてことだったのだが、そんな解釈は、どこからも聞いたことがないのが不思議だった(知らないだけかもしれないけど)。
そう真意は知らんけど、私的には、人間愛ではなく、男と女の愛という、性をすごく意識した作品だと感じた。
その部分て、絶対生きてく上で無視出来ない部分だから、それを無視し続けるのは逃げだしフェアじゃない。
それが解っていたから監督は挑戦したんじゃなかろうか、と思った。
設定を幼児にすることで、生々しくなることを避け、子供にも受け入れられる=ジブリ作品として成立させている。
そして本質的な部分を描くことに成功している。
ボーイミーツガールの純粋さ。
そして永遠にマザコンでもある男の愛。
母性としての女の愛。
父性としての男の愛。
特に男の愛というものを描いていると思った。
僕、ポニョのこと守ってあげるって約束したんだ。
映画始まってわりとすぐのソウスケのこの宣言で、映画の主題が解った気がした。
男の愛の本質はそこなんだと最近常々思っていた私は、その言葉に敏感であったのだ。
しかし何だったんだろう。ちょっと心つかれぎみだった私は、ものすごくポニョが見たくなって、ポニョが見たい見たい見たい!!て気持ちで見た。
一体ポニョに何を予感し求めていたのだろうか。
しかし多分だか、幼女的な奔放なまっすぐな振舞いが受け入れられたり、時に受け入れられなかったりする様を見たかったに違いない。
そして真っ直ぐに生きたい気持ちを映画に投影して癒されたかったのだろう。
しかし実際はポニョに感情移入することは皆無で、ポニョは造形的にも不気味だし性格も若干ウザくて、、ちっちゃなモンスターって感じでかわいいともなんとも思わなかった。
でもポニョを可愛く描かなかったところがこの作品の好きなとこだ。
だって女はモンスターだから。
男からしたら、可愛いだけじゃなくて不気味だったり理解できない部分がある。
それでもソウスケが全てを受け入れる。
そこに理想の男の愛の形があるのだ。
結局私は、ポニョの奔放な振舞いにではなく、ソウスケの理想の男性ぶりに癒された。
大人になっていろんな手管を覚える前の五歳児の中にこそ、理想の男性はいるのかもしれない。
ポニョも母も介護施設のおばあちゃん達も、皆を守ろうとする小さな男の子。
そこにこそ男の素晴らしさがある。
そしてそんな男を時に手を引き、抱き留め、見守る母性愛にこそ、女の愛の素晴らしさがある、そう言いたかったのかも。
あとはポニョ的な捨て身で感覚的な真っ直ぐさ。
そんな所に男は女の魅力を感じるのかもしれない。
そうそう、この映画の主題が男女だと感じたのには、ソウスケとポニョの対照的な描かれ方にもある。
理詰めで左脳思考のソウスケ。
ソウスケにはわからない魔法を使うポニョ。
しかし予想外だったな、あのポニョが、ここまで濃厚な男女モノだったとは。
そしてやっぱり宮崎アニメ共通の点がある。
女子よ、勇敢であれ!
ポニョグッズはけっこう衝撃的だ・・・。でもぬいぐるみにしても違和感ないかも。
ぬいぐるみだったらホントにぽにょっとしてて、むしろカワイイかも。
参照(見てみたいと思った動機。1年前になるのか!)
http://flying-fly.blog.so-net.ne.jp/2008-08-02-1
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