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外見と自信と受容。Mattとローランドとミシェルオバマ(2) [メディアまわり]

(前の続き)
あと男性が女装する場合も、外見はきれいごとではない。
綺麗でなくても、女性に見えればいい。
女性にみえなくても、綺麗だったらいい。
そういう生理的な感性を多くの人は持ち合わせている気がする。というか、私の場合はそうだ。
それはあまりにも似合わない服を着ている人に対する気持ちと同じか。
似合うか、似合わないか、というのは、社会的な影響も受けているし、生理的なものでもある。
とにかく、残念ながら、整形手術をしてでも外見を変えることが、社会的に受容されることとダイレクトに関係するケースがあるんだな、ということを、Mattのケースは突き付けてくる。
ちなみにTikTokを使ってみても、うわーっと思った。
10代にとっては、外見ってものすごい価値なんだった、ということを改めて痛感し、動物的、と思った。
10代利用者の多いTikTokは、ただ外見がものすごくきれいな子がウィンクするだけ、みたいな動画が人気だ。くだらん。つまらん。でも昔は紙媒体でグラビアとか写真集という形として存在してた需要が、TikTokで素人相手に満たされていると思えば、そんなもんだ人間。
もちろんVine王者のブライアンみたいに、センスや面白さが、結局は外見を凌駕するんだけど。
さてそこでローランド。
私はホストクラブに行ったことがない。想像しただけで虫唾が走るからである。
なんで?と言われると、まずホストの装束が野暮ったくてゾッとするし、仮に顔が綺麗だったとしても私が男の外見に価値を見出さないからじゃないだろうか。さらに仮にきれいな顔だと思っても、だからなんだ?である。
イケメンと話をしたいとか、イケメンの横に座りたい、みたいな需要が自分に一切ない。
さらに、一番虫唾が走るのが、ホストが接客する意図は「金づるにしてやろう」「金づるにするために惚れさせよう」というところであることである。
なんでそんなヤツの野心のために、自分の貴重な時間を、彼らに費やさなくてはいけないのか。
無料だとしても、うんざりである。
そこに、真実の会話なんて何もないじゃん。
ただ耳に優しい虚言を振りまいてくるだけでしょ?と、思うからである。
それだったらまだ、同僚とか後輩とかと飲みにいって、彼らの仕事や家庭の愚痴を聞くほうが、よほど対人間として意味があると思うし、場末の居酒屋で知らないオッサンと世間話をするほうがより温かみがある。
そう思ってしまうんだよな。
もちろんローランドくらい、成功した一流ホストだったら、きっと話も面白いし、何かインスピレーションを得るものがあるのかもしれない。
でも、ふつうにただホストクラブに行ってみました、で、出会えるのは、ただの雑魚ホストでしょ?
それに別にホストに行かなくてよくない?
一流の接客術なら、私はたまに美容室で味わえる。
美容室に行けばいいじゃん。
美容師さんのほうが、よっぽどオシャレでカッコいいし、髪の毛を綺麗にしてもらいつつ、悩みを聞いてくれて、けっこう真っ当なアドバイスをくれたり、インスピレーションを与えてくれたりするよ?
そして、そこには変な下心がない。
もちろんお客さんだから、ひどく厳しいことを言われたり、バカにされたりすることはない。
美容師さんにも色んな人がいるけど、接客が上手な人は多い印象。
さてホストは、話術と接客のカリスマだとする。
キャバクラもホストクラブも、ナンバーワンの人は、外見がいい人よりも、話が面白い人らしい。
外見も、ある程度は大事だけど、あくまである程度であって、とびぬけて綺麗である必要はないんだとか。
なのに彼はどうして整形を繰り返す?
調べてみたところ、「あと顔さえ綺麗なら、ナンバーワンをとれる」と思ったからであり、結果としてナンバーワンをとれて、「外見を変えることで、自信を持て、社交的になれ、毎日が楽しくなる。結果的に、中身を変えられる」という持論があるらしい。
ローランドに関していうと、整形前を見ても、整形後を見ても、はたしてこの外見が、世間からの受容度に影響力があったか、私にはわからない。
ホストとしての価値は変わらなかったんじゃないか、私の場合はそう思う。まあ面食いじゃないからかもしれない。まああれか、強いて言うなら、高い金を払って豪華客船に乗る、というのが、ホストクラブだとしたら、客室係が、用務員さんみたいなヨレヨレな服を着た人よりも、ビシッと小奇麗な服装をしているほうがいい、そういう感じの問題か。
ただどちらかといえば、話題性、メディア戦略なんじゃないかと思う。
振り切った、派手な外見は、ほかの凡百のホストと差別化できる。
そして成功したホストのイメージを打ち立てて、印象を残す。覚えられやすい。
そういう意味だと、彼の整形戦略は成功したんだろうな。
浮世離れした目立つ外見を手に入れる、という意味で。
でも結果論かな。目立つだけなら、金髪ロングだけで十分だったかもしれない。
さて、しかも彼の場合は、ホストだから「整形で派手な外見」という戦略がマッチした。
ちょっとギャンブル臭がする業界だったらいいのかも。エンタメ業界に振り切ってるとか、投資家とか。。
以上、長くなってしまったので終わる。

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外見と自信と受容。Mattとローランドとミシェルオバマ(1) [メディアまわり]

ミシェルオバマのドキュメンタリー「マイストーリー」をNetFlixで見た。

私はもともと彼女のファンである。

が、ぼんやりファンであって、すべてをフォローしているわけではないので、今回久しぶりに彼女の動く姿を見たのだが、改めて、なんてはっきりくっきり発音してくれるのだろうと思った。

速すぎないスピード、大きく明瞭な声、発音。私のような外国人が聞き取りやすい英語というのは、おそらくネイティブにとってもスピーチなどで伝わりやすいお手本的な英語なんではないかと思う。


そして、やっぱり素晴らしいのは、頭の回転。

何を質問されても、ウィットにとんだ、感心させる回答をする。

ちょっと笑わせ、そして、感心させたり、感動させたりした上で、きちんと質問の答えになっている。

あふれる自信。でもそんなに嫌みになっていないのは、やっぱりこの回答手腕からして鮮やかで、彼女が有能であり、魅力的に振舞えることは一目瞭然だし、実績にも自信があるからだろう。


そして美しいなあと思うんだけど、彼女は美人とか美人じゃないとか、そういう土俵に乗せられてないと思う。

いや、外見を揶揄されることもあったか。そういえば。

でも、彼女は自己表現をたくさんし、自分はどんな人間であるか開示していったから、そちらに人々が興味関心を抱き、世界中からも中身を見てもらえる人になっていったんじゃないかと思う。


さて、ふとMattとローランドの整形について対比的に思い出した。

まずMattを初めてテレビで見た時、私は気持ち悪いと思った。世間もそういう反応だったと思う。

今は気持ち悪さは私の中でもだいぶ薄らぎ、世間からもだいぶ受け入れられている。

でもこれって、都合の悪い真実だなと思う。

なぜそう変わったかは、私の中では結構はっきりした感覚があって、それはマットが整形完了して、人々が美しいと感じざるを得ない容姿になったからである。

美しいものは美しい。そりゃ認めざるを負えない。そして、なるほど、じゃあこういう在り方もありだね、という流れな気がする。彼は結局、美しさによって世間を認めさせた気がするんだよね。

キャラクターが面白いとか、話術が面白いとか、自分の姿勢を貫く姿がオリジナルで強いとか、、そういうのはもいろんあるけど、そこで認めさせたわけじゃないと思う。

テレビで始めの頃のような、化粧が異常に濃い、中途半端な整形顔は、人々に生理的な嫌悪を感じさせた。

あの顔で芸能界でやっていくならば、やはり芸人として面白さで売っていく方法か、素晴らしい本業の実績で認められる方法か、どちらかがないと、厳しかったと思う。

ただ今の美しさならば、今の話術くらいでも、タレント性がある。

哀しいけど、整形してでも外見がものをいうことがあるんだよな。

そして、それは生理的に受け入れられるかどうか、という時。

そしてその感覚が最も発動するシーンは、やはり「美人」として自分を売ろうとしている人に対してだろう。


ミシェルオバマは美人のように、好きなファッションを楽しみ、堂々と振舞う。
決して、自分の外見を卑下するような言動には出ないだろう。
別に不美人なわけではないし、美人なほうだと思うし。
だが、美人として自分を売っているわけではない。彼女は自分がやるべき仕事をバリバリこなしているだけであり、それは美人かどうかとか関係ない。
でもMattは、綺麗な自分を魅せること、に命をかけている感じがある。
命がけで化粧して、加工して、インスタにその写真をあげること、それが彼の一番の仕事である。
というような売り出し方だったのだから、それが綺麗でないか、本当に綺麗か、は仕事の価値そのものだもんな。



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