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キム.・ハワン「あやうく一生懸命生きるところだった」感想。 [読書メモ]


あやうく一生懸命生きるところだった

あやうく一生懸命生きるところだった

  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2020/01/16
  • メディア: Kindle版

ツタヤカフェで拾い読みをしたことはあったのだが、今回、どこかのネットニュースで書評を読んで、今の私に必要な本だわ!と猛烈に読みたくなってまたツタヤにやってきて精読した。
たしかにその通りで、飽きることなく最後まで精読した。
だがまあ、ものすごく新しい観点があるわけじゃない。
いろんな自己啓発書なり、エッセイなりで、読んだことがあるような内容ばかりである。
ざっと、要約すると以下のような感じである。
結果じゃないよ、過程を楽しもう。
楽しむ人には誰も勝てない。
っていうか、勝つために生きようとするだけで、楽しくないから、勝とうと思う必要もない。
結果のために耐える人生じゃなくて、過程そのものを楽しむ人生がつよい。
万人受けしようと努めたところで、成果なし。
それより、自分の好きなことをとことん追求した先に、個性が際立ち、思わぬ賛同があるのでは。
よくわからない未来のためではなく、現在の自由のために働く。
自分が幸せな理由を探すより、不幸な理由を探して今の時間を費やしているなんてもったいない。
あまり期待せずに生きれば、毎日がラッキーの連続。
やらなかった後悔よりやった後悔。下手こいてこう。
試しもせずにあきらめないこと。挑戦する権利はある。
思い通りにいかないことは当たり前。努力はむくわれたらラッキーなだけで、いつも報われるわけじゃない。
自分だけのペースと進路を見極めてすすもう。
まあ、ですよねーっていう感じで、別に新しくない。
だけど、それだけじゃない、いい感じがこの本にはある。
ものすごい成功者とかではない、挫折も多かった、まだ人生の途上にいる
ふつうのちょっと不器用な元サラリーマンとして、すべてが自分の経験にひきよせて書いているからか、
上からじゃなくて、嫌みがない提案なのだ。
著者の人柄と文学的才能だろう。
3浪して入ったとはいえ、名門美大出身というだけあって、芸術的センスと知性が感じられる。
この本を書いた人が韓国人の四十路男で、そんなに売れてないと自称するイラストレーターで、
サラリーマンとイラストレーターの二足のわらじで頑張ってきたけど、ある時、なんだこの人生?
一生懸命生きてきたけど、それでこれ?と気づいて、立ち止まる。
脱サラしてボーっと、したいことだけして生きてみることにした、というようなところからの発言なのだけど、
まあびっくりするほど、東京に生きてる私にしっくりくる。
BTSの動画とかを見ていて、ハロウィンの仮装のキャラクターが全部、日本のアニメのキャラクターとかサンリオのキャラクターだったり、彼らの好きな幼少期のアニメも、全部日本のアニメだったりして、なんとなく気づいてたけど、もはや韓国と日本では消費する
コンテンツにかなり国境がなくなっているんだなと改めて感じた。
つまりこの男性が引き合いに出す、文学作品や映画、漫画は、日本のものばっかりと言っても過言ではない。
もちろん、とことどころ、他の国の作品や、韓国の作品も出てくるけど、半分くらいは、日本のものだ。
村上春樹とか、孤独のグルメとかジョゼと虎と魚たち、とか。
そして、そのように同じような文化を吸収してきているせいもあってか、そして経済の程度ももはや似ていることからか、
彼のエッセイの内容や思うことには、全然まったく違和感なく、共感できてしまうんだなあ。
翻訳が優秀だというのもあるけど、それはスゴイことだと思った。
というか、この20年で、むしろ韓国のほうがドギツイ競争社会になったので、日本ではもう20年目、10年前からこの手のマイウェイを進もうぜっていう自己啓発はさかんに行われていたかもしれない反面、韓国では目新しくて、もっと世間に求められている立ち位置だからこそ、ブレイクした
のかもしれないが、別に東京にいる私が読んでも古くなくて、普通に同世代人として、まあそうよねって感じだった。




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