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天才マックスの世界  Huluで見る名作 [映画メモ]

天才マックスの世界。原題はRushnore  1998制作のアメリカ映画。

ロイヤル・テネンバウムズを見ようとして、なぜかこっちを見てしまった。

ウェス・アンダーソン作品を一回見てみたかったのだ。

でも結論としては、見て良かった。 

大作じゃないけど、随所にセンスが感じられる作品だった。 

そして見た後、なんとなく暖かいいいものが体に残っている。 

天才マックスの世界 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • メディア: DVD 

とてもいいなと思ったのは。

マックスは15歳なんだけど、まあとっても風変わりな少年なのだ。

でもすっごい良いところや優れているところもある。

でもってそれを十二分に発揮して毎日を生きている。

私のいた高校は、今思えばこんな学生が結構いて青春を謳歌してたけど、まあ特殊だった。

現実には、なかなか日本でマックスみたいな個性を持った少年が、こんなに伸び伸びと個性を伸ばせるかと考えたら厳しいと思う。

大人になったら何かしらの分野で先駆者になったりするタイプだろうけど、ティーンエイジャー的な価値観からすると、

見てくれがカッコいいわけでもなく、スポーツができたり、ケンカが強いわけでもなさそうで。

なおかつ勉強も出来そうに見えて、成績が悪いので、 なよなよした小煩いスットコドッコイ・・・ということで、各方面からスルーされそうだ。

からかわれたり、虐められたりするほうが多いだろうし、親も「ダメ息子」として、あんまり暖かく見守らないんじゃないだろうか。。

確かに映画の中でもマックスは同級生にはスットコドッコイ扱いされたりしているし、親友はずいぶん年下の少年と家庭内で孤立している孤独なおじさん(でも社長)とかだ。

それでも スットコドッコイ扱いしてくる奴らは一部で、大概のびのびと生活できているし、お父さんもそんなマックスを暖かく見守っている。

学校に行かなくなっても、「マックス、もう学校はいいのかい?お父さんは仕事を手伝ってもらえて助かるけど。」 といった具合。

そんな世界観がとってもあったかいのだ。

そしてマックスの年齢ハチャメチャな交友関係も、ちゃんとした本物の友情で結ばれていることが描かれている。

別に弱いもの同士が寄り集まっているわけじゃなく、本気でお互いを認め合っているし、年齢を超えて気があっているのだ。

それでも彼らの年齢的な事情が無視されているわけじゃない。

マックスはどんなに大人びていても結局は恋愛初心者で童貞の15歳の少年なので、恋する相手はずいぶん変わっているし、アプローチの仕方も変わっているけど、結局すごい子供っぽい振る舞いを露呈する。

悩み事がある時は、お母さんのお墓の前で寝っころがって考える。

誰にも会いたくなくて引きこもってしまう時もある。 

マックスの親友のおっさんも、年甲斐もなく恋をすれば、離婚となり息子に殴られたりする。

マックスの親友の男の子も、美人で若いお母さんのことで、マックスとけんかになったりする。

年齢関係なくやり合うときはやり合うけど、彼らもお互いの年齢的な事情を無視するわけじゃなく、おもんぱかったりもする。

そして結局は、自分のペースを取り戻して、あの手この手で自分の居場所を作り出す不屈のマックス。

 

同級生に自慢できるようなことじゃないかもしれないけど。

自分が大好きで楽しめることに、心血を注いで楽しむこと。そしてそれを肯定してあげる暖かい周り。

そして頭を絞って考えて、情熱を注いで動き回って、諦めない(笑)。

いいな。

この作品は、色んな人が見たらいいのにと思った。

特に子供の個性について考えることがあるお父さんやお母さんが居たら、見てくれたらいいのに。

子供はその変わった個性ゆえに、苦しんだり挫折したりすることはあるけれど。

それはその個性を、より周りに迷惑にならない、有益な形で活かしていくための試練として必要なこと。

個性を引っ込めればいいわけじゃない。 

それでもどうにかしてうまく場所や形を見つけて、彼らの個性を伸ばしていくことが、彼らが幸せに生きて行くことにつながるんだなと自然に思える作品だった。

 

 


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